某オトメの楽園に飛び込んでごめんなさい記念。記念じゃねェっつーか。
オトメ流儀で謝罪してみる。うわ俺キモイ。
なんかもう色々ごちゃごちゃグダグダ……黒の歴史が生まれ変わった気がする。
つか、やって良い事と悪い事がある事をそろそろ学習したい。
以下、日記。
=====17日目・朝=====
今より10歳くらいガキだった頃の出来事を夢で見た。
忘れてしまいたい記憶だが、忘れそうになる度、無駄に細部まで細かく再生される。
紗夜の泣く声、金属が肉をかする音、鉄くさい空気。
白くて細い傷だらけの腕。赤く染まったシーツ
俺の心臓の脈、置いていかれるという恐怖感。
俺はもう二度とあんな光景を見たくない。
紗夜、昔みたいに、俺の【お姉ちゃん】に戻ってくれなくても良い。
【お姉ちゃん】だった頃に俺を守ってくれた分、今度は俺が守って……
いや、守る、なんて事は、俺に言える言葉ではない。
悔しいが、紗夜を守れるのは俺ではなく、式村なのだから。
式村が島から帰って、二人が結婚するまで、俺はできるだけのことをする。
バカっぽくてもいいから、お前は笑ってろ。
もし俺がいなくなっても、俺の事を忘れる位、お前は幸せになれ。
……まるで俺がこれから死ぬみたいじゃないか。
そんな事をを考えるものではないし、死ぬ気だって毛頭ない。
溜息をついて、荷物を纏め上げた。
=====17日目・午後=====
床で出会ったのは妄想気味で自分にかなりの自信を持っているぬっへっほふ2体。
キルサンによる、サーチした敵データの解説が入る。
こいつらはぬっへっほふではなく、フレッシュゴーレムというらしい。
死肉で出来たゴーレム2体は、なぜか俺らを痴漢と勘違いしている。
「肉感的」なボディに自信たっぷりなようだが、残念ながら俺らの好みではなかった。
ぷにぷにしてて攻撃がなかなか通らない上、体力も高い肉塊ズに苦戦したが、何とか征する事ができた。
その後、キルサンとは明日の練習試合後まで一旦別行動となった。
キルサンは見た目こそ幼児だが、俺より大分しっかりしている。
彼が大丈夫、と言うのなら大丈夫だろう。
信じる事にした。
式村兄妹と共に、一足先に遺跡外へと出る。
戦闘や必要な行動を終えると、キルサンはエネルギー消費を抑えるため、グラフィックをオフにする。
なので見た感じいつもと変わらないっちゃ変わらないが、今は呼びかけても返事が返ってこない。
何か落ち着かないというか、気がかりというか……
まだ2週間半程しか断っていないのに、自分が存外キルサンに懐いている事に、少し驚いた。
さすが使役術使い……って、俺は動物か。
=====17日目・午後=====
人ごみから離れ、携帯端末の電源を入れる。
発信履歴の1番上を選択し、通話ボタンを押す。
プルルルル。プルルルル。 ……
9回、10回……
いつも10数コール待たされるのはザラだ。
今朝方見た夢の事もあって、いつもより落ち着かない気持ちで待つ。
……15、16……
もしかして出かけているのだろうか。
諦めて切ろうとした瞬間。
「はぁい。ミマサカです♪」
回数にして25コール目。
俺と同じ年頃にも聞こえる女が、呑気な声で応対する。
声は元気そうだ。
ひとまず安心か……
「俺」
「あ・・・すーちゃんv」
少し妙な間があった気がする。
よもや反抗期で俺とは喋りたくないというのか。
……落ち着け、俺。こういう時こそ冷静に対処だ。
「チョコ、俺の分も作ってくれたンだな。ありがとう。」
まず、先日のバレンタインにチョコを貰った礼から言う事にした。
今年のバレンタインチョコは、式村宛てのみになるだろうと読んでいた。
だが意外にも、俺の分も用意されていた。
見た目こそシンプルなハート型のチョコだが、今年はいつもと違った。
毎年大量に作っては俺に押し付ける、溶かして固めるだけではなく、今年は微妙に味を工夫していた。
今までにない行動。
「えへへ~。チョコの本とか、一人で作るモン見ながら頑張ったんだよ」
「うん。美味かった」
正直な感想を述べると、頭の悪そうな照れ笑いが返って来る。
いつもの紗夜だ。様子がおかしいと思ったのは気のせいか。
少し叱っても大丈夫だろう。
「つか、ここ危ねェトコなんだから俺に連絡ナシの状態で来ンなよ。
虎渡ズ同伴だったのは確かに偉いけどな」
遺跡外でもデュエル、練習試合は行われる。
デュエリスト、悪く言えば人狩りと呼ばれる者もいる為、全く安全とは言えない。
とはいえ、俺がこの島に来る際に渡された電話の番号を紗夜は知らない。
どの道紗夜から俺へ連絡は取れなかったのだが。
「むぅ……醍センセイにも同じ事言われたんだよ」
式村は紗夜を猫かわいがりして言いなりになっているとばかり思っていた。
意外にも、甘やかすだけではないらしい。
……まぁ、+評価して良いだろう。
そう思っていると、紗夜はやや躊躇いがちに続ける。
「今は後悔してるんだよ」
意外すぎる言葉に、一瞬フリーズしかけてしまった。
反省ではなく後悔?
そういえば、婚約者と会って二人で話した後だというのに惚気ていない。
式村と話したいというおねだりもない。
「…… 紗夜、今体悪いのか?」
「んーん。どこも悪くないよ」
即答される。どこも悪くないならどうしてそんなにいつもと違うのだ。
「ねえ、すーちゃん」
「ん?」
「醍センセイ、どうしてる?」
「式村?色んな女から貰ったバレンタインチョコ大量に食って倒れてたけど」
「そっかぁ。さすが醍センセイなんだよ。
人気者でモテモテなんだよ……」
溜息をつく。
「どした?マジで変だぞ。何かあったンなら言えよ」
「んー……」
暫く間をおいた後、紗夜は酷く困ったように喋り始めた。
「あのね。あのね。知らない人からお手紙が届いてたんだよ」
「ん」
手紙?
父親が勝手に見合いとか画策してるんじゃないだろうな……
「封筒あけたらね、すーちゃん達のいる島の事が書いてあるニュース記事みたいなのが入ってたんだよ」
思惑が外れて、やや気が抜ける。
差出人が俺の住所ではなく、一人別居している紗夜の住所をどうやって知ったのか非常に気になるが。
「それでね、醍センセイのことが書いてあったんだよ」
「……式村の事?」
紗夜の声が震えて来た。
嫌な予感がする。
「醍センセイね、教え子に手を出して、子供が出来たんだって。
そう書いてあったんだよ」
一瞬、今朝の悪夢がフラッシュバックして眩暈を覚える。
紗夜の声は泣く一歩手前位まで震えている。
嘘か本当か知らないが、ご大層な爆弾を送ってくれたモノだ。
「紗夜、お前、何で式村が良いンだ?」
「醍センセイは、約束を守ってくれる人なんだよ。
また会おうね、って約束して、ホントに守ってくれたんだよ。
……信じてるんだよ」
「……」
「でも、醍センセイがいる島には、凄くかわいい女の子がたくさんいたよ。
醍センセイ、カッコいいもん。
好きな人ができても、おかしくないんだよ」
紗夜はもう殆ど泣きながら喋っている。
「信じてるけど、今は、ちょっと苦しいよ」
「…… 何だよそれ。初めて聞いたぞ」
「……」
「一応聞いてみる。でもすぐにわかんなかったら御免な。
あんまり心配しすぎンなよ」
俺はできるだけ落ち着いた口調で紗夜をなだめ、今話している携帯の電番を控えさせた。
これでいつでも連絡が取れる。
「じゃ、切るぞ。ちゃんと飯は食えよ?」
「……ん」
終話キーを押す前に、しゃくりあげるのが聞こえた。
「……さて、どうしたモンか」
式村に真偽を問いただし、郵便物の送り主を探さねばならない……
やる事が山積みだというのに、厄介度の高い問題の出現に、胃が重くなった。
=====17日・午後=====
「……今ンとこ報告はそんなモンです」
今回の遺跡探索中の出来事のさわりと、先刻の紗夜の事を報告する。
「そうか。解った」
中年男の声は平坦だったが、今までとは微妙に違った。
「引き続き調査、ですかね?」
「そうだ。その件に関しては時間をかけて真偽を確かめてから報告を」
「……」
おかしい。
今まで何を言ってもこんな真剣そうな返事などしなかった。
しかも時間をかけて、だと?
俺と式村が居ない間にクソ親父の企みそうな事と言えば……
「そう言いながら、俺らが帰って来ねェのを良い事に紗夜に見合いを都合したり、
その他【処分】しようとしたら」
「……」
「幾ら親でも」
がちゃん、ツー、ツー、ツー、ツー
ビンゴだったらしい。
父親は、紗夜に関する事で俺が異様に執着し、執念深さを発揮するのをよく知っている。
これで暫くは足止めできるとは思う。
しかし、父親が俺をここに送り込んだ本当の理由を知った今、楽観はできそうもない。
「……っとに。どいつもこいつも」
『胃に穴が開いちゃうぞ♪』
からかうような軽い口調と、狼と子猫をつれた綺麗な歌い手サンの笑顔が蘇る。
シャレにならないっていうかマジで開きそうです。ぼすけて。
=====17日目・その後ダイジェスト=====
セリーズサンの保護者、タカのいる小屋に行く。
ファンタスティックな体験をいっぱいした。
帰る頃に、俺は光充電キットと元々持ってた携帯を手に入れていた。
紗夜の様子が気になって、俺の携帯から電話連絡してみる。
「すーちゃんのバカ!醍先生と喧嘩しちゃダメなんだよもー!キライっ!!」
+大++大+えー?!-大--大-
「ハァ?泣いたと思ったら何急に元気ンなってんだよ。
ていうか訳解ンねェよバカ!つーか新しい携帯番号覚えとけよ!後でそっちにかけろよバカ」
そんな感じでケンカ別れ。
何か色々スマン、タカ。
この恩はぜってぇ働いて返す。
あと、ちょっと人には言いづらいモノも工面して貰った。
ウフフ。明日なんて来なけりゃ良いのに。
今より10歳くらいガキだった頃の出来事を夢で見た。
忘れてしまいたい記憶だが、忘れそうになる度、無駄に細部まで細かく再生される。
紗夜の泣く声、金属が肉をかする音、鉄くさい空気。
白くて細い傷だらけの腕。赤く染まったシーツ
俺の心臓の脈、置いていかれるという恐怖感。
俺はもう二度とあんな光景を見たくない。
紗夜、昔みたいに、俺の【お姉ちゃん】に戻ってくれなくても良い。
【お姉ちゃん】だった頃に俺を守ってくれた分、今度は俺が守って……
いや、守る、なんて事は、俺に言える言葉ではない。
悔しいが、紗夜を守れるのは俺ではなく、式村なのだから。
式村が島から帰って、二人が結婚するまで、俺はできるだけのことをする。
バカっぽくてもいいから、お前は笑ってろ。
もし俺がいなくなっても、俺の事を忘れる位、お前は幸せになれ。
……まるで俺がこれから死ぬみたいじゃないか。
そんな事をを考えるものではないし、死ぬ気だって毛頭ない。
溜息をついて、荷物を纏め上げた。
=====17日目・午後=====
床で出会ったのは妄想気味で自分にかなりの自信を持っているぬっへっほふ2体。
キルサンによる、サーチした敵データの解説が入る。
こいつらはぬっへっほふではなく、フレッシュゴーレムというらしい。
死肉で出来たゴーレム2体は、なぜか俺らを痴漢と勘違いしている。
「肉感的」なボディに自信たっぷりなようだが、残念ながら俺らの好みではなかった。
ぷにぷにしてて攻撃がなかなか通らない上、体力も高い肉塊ズに苦戦したが、何とか征する事ができた。
その後、キルサンとは明日の練習試合後まで一旦別行動となった。
キルサンは見た目こそ幼児だが、俺より大分しっかりしている。
彼が大丈夫、と言うのなら大丈夫だろう。
信じる事にした。
式村兄妹と共に、一足先に遺跡外へと出る。
戦闘や必要な行動を終えると、キルサンはエネルギー消費を抑えるため、グラフィックをオフにする。
なので見た感じいつもと変わらないっちゃ変わらないが、今は呼びかけても返事が返ってこない。
何か落ち着かないというか、気がかりというか……
まだ2週間半程しか断っていないのに、自分が存外キルサンに懐いている事に、少し驚いた。
さすが使役術使い……って、俺は動物か。
=====17日目・午後=====
人ごみから離れ、携帯端末の電源を入れる。
発信履歴の1番上を選択し、通話ボタンを押す。
プルルルル。プルルルル。 ……
9回、10回……
いつも10数コール待たされるのはザラだ。
今朝方見た夢の事もあって、いつもより落ち着かない気持ちで待つ。
……15、16……
もしかして出かけているのだろうか。
諦めて切ろうとした瞬間。
「はぁい。ミマサカです♪」
回数にして25コール目。
俺と同じ年頃にも聞こえる女が、呑気な声で応対する。
声は元気そうだ。
ひとまず安心か……
「俺」
「あ・・・すーちゃんv」
少し妙な間があった気がする。
よもや反抗期で俺とは喋りたくないというのか。
……落ち着け、俺。こういう時こそ冷静に対処だ。
「チョコ、俺の分も作ってくれたンだな。ありがとう。」
まず、先日のバレンタインにチョコを貰った礼から言う事にした。
今年のバレンタインチョコは、式村宛てのみになるだろうと読んでいた。
だが意外にも、俺の分も用意されていた。
見た目こそシンプルなハート型のチョコだが、今年はいつもと違った。
毎年大量に作っては俺に押し付ける、溶かして固めるだけではなく、今年は微妙に味を工夫していた。
今までにない行動。
「えへへ~。チョコの本とか、一人で作るモン見ながら頑張ったんだよ」
「うん。美味かった」
正直な感想を述べると、頭の悪そうな照れ笑いが返って来る。
いつもの紗夜だ。様子がおかしいと思ったのは気のせいか。
少し叱っても大丈夫だろう。
「つか、ここ危ねェトコなんだから俺に連絡ナシの状態で来ンなよ。
虎渡ズ同伴だったのは確かに偉いけどな」
遺跡外でもデュエル、練習試合は行われる。
デュエリスト、悪く言えば人狩りと呼ばれる者もいる為、全く安全とは言えない。
とはいえ、俺がこの島に来る際に渡された電話の番号を紗夜は知らない。
どの道紗夜から俺へ連絡は取れなかったのだが。
「むぅ……醍センセイにも同じ事言われたんだよ」
式村は紗夜を猫かわいがりして言いなりになっているとばかり思っていた。
意外にも、甘やかすだけではないらしい。
……まぁ、+評価して良いだろう。
そう思っていると、紗夜はやや躊躇いがちに続ける。
「今は後悔してるんだよ」
意外すぎる言葉に、一瞬フリーズしかけてしまった。
反省ではなく後悔?
そういえば、婚約者と会って二人で話した後だというのに惚気ていない。
式村と話したいというおねだりもない。
「…… 紗夜、今体悪いのか?」
「んーん。どこも悪くないよ」
即答される。どこも悪くないならどうしてそんなにいつもと違うのだ。
「ねえ、すーちゃん」
「ん?」
「醍センセイ、どうしてる?」
「式村?色んな女から貰ったバレンタインチョコ大量に食って倒れてたけど」
「そっかぁ。さすが醍センセイなんだよ。
人気者でモテモテなんだよ……」
溜息をつく。
「どした?マジで変だぞ。何かあったンなら言えよ」
「んー……」
暫く間をおいた後、紗夜は酷く困ったように喋り始めた。
「あのね。あのね。知らない人からお手紙が届いてたんだよ」
「ん」
手紙?
父親が勝手に見合いとか画策してるんじゃないだろうな……
「封筒あけたらね、すーちゃん達のいる島の事が書いてあるニュース記事みたいなのが入ってたんだよ」
思惑が外れて、やや気が抜ける。
差出人が俺の住所ではなく、一人別居している紗夜の住所をどうやって知ったのか非常に気になるが。
「それでね、醍センセイのことが書いてあったんだよ」
「……式村の事?」
紗夜の声が震えて来た。
嫌な予感がする。
「醍センセイね、教え子に手を出して、子供が出来たんだって。
そう書いてあったんだよ」
一瞬、今朝の悪夢がフラッシュバックして眩暈を覚える。
紗夜の声は泣く一歩手前位まで震えている。
嘘か本当か知らないが、ご大層な爆弾を送ってくれたモノだ。
「紗夜、お前、何で式村が良いンだ?」
「醍センセイは、約束を守ってくれる人なんだよ。
また会おうね、って約束して、ホントに守ってくれたんだよ。
……信じてるんだよ」
「……」
「でも、醍センセイがいる島には、凄くかわいい女の子がたくさんいたよ。
醍センセイ、カッコいいもん。
好きな人ができても、おかしくないんだよ」
紗夜はもう殆ど泣きながら喋っている。
「信じてるけど、今は、ちょっと苦しいよ」
「…… 何だよそれ。初めて聞いたぞ」
「……」
「一応聞いてみる。でもすぐにわかんなかったら御免な。
あんまり心配しすぎンなよ」
俺はできるだけ落ち着いた口調で紗夜をなだめ、今話している携帯の電番を控えさせた。
これでいつでも連絡が取れる。
「じゃ、切るぞ。ちゃんと飯は食えよ?」
「……ん」
終話キーを押す前に、しゃくりあげるのが聞こえた。
「……さて、どうしたモンか」
式村に真偽を問いただし、郵便物の送り主を探さねばならない……
やる事が山積みだというのに、厄介度の高い問題の出現に、胃が重くなった。
=====17日・午後=====
「……今ンとこ報告はそんなモンです」
今回の遺跡探索中の出来事のさわりと、先刻の紗夜の事を報告する。
「そうか。解った」
中年男の声は平坦だったが、今までとは微妙に違った。
「引き続き調査、ですかね?」
「そうだ。その件に関しては時間をかけて真偽を確かめてから報告を」
「……」
おかしい。
今まで何を言ってもこんな真剣そうな返事などしなかった。
しかも時間をかけて、だと?
俺と式村が居ない間にクソ親父の企みそうな事と言えば……
「そう言いながら、俺らが帰って来ねェのを良い事に紗夜に見合いを都合したり、
その他【処分】しようとしたら」
「……」
「幾ら親でも」
がちゃん、ツー、ツー、ツー、ツー
ビンゴだったらしい。
父親は、紗夜に関する事で俺が異様に執着し、執念深さを発揮するのをよく知っている。
これで暫くは足止めできるとは思う。
しかし、父親が俺をここに送り込んだ本当の理由を知った今、楽観はできそうもない。
「……っとに。どいつもこいつも」
『胃に穴が開いちゃうぞ♪』
からかうような軽い口調と、狼と子猫をつれた綺麗な歌い手サンの笑顔が蘇る。
シャレにならないっていうかマジで開きそうです。ぼすけて。
=====17日目・その後ダイジェスト=====
セリーズサンの保護者、タカのいる小屋に行く。
ファンタスティックな体験をいっぱいした。
帰る頃に、俺は光充電キットと元々持ってた携帯を手に入れていた。
紗夜の様子が気になって、俺の携帯から電話連絡してみる。
「すーちゃんのバカ!醍先生と喧嘩しちゃダメなんだよもー!キライっ!!」
+大++大+えー?!-大--大-
「ハァ?泣いたと思ったら何急に元気ンなってんだよ。
ていうか訳解ンねェよバカ!つーか新しい携帯番号覚えとけよ!後でそっちにかけろよバカ」
そんな感じでケンカ別れ。
何か色々スマン、タカ。
この恩はぜってぇ働いて返す。
あと、ちょっと人には言いづらいモノも工面して貰った。
ウフフ。明日なんて来なけりゃ良いのに。
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