黒歴史ってやつ。
左が俺、右が紗夜(姉)
なんでそんな写真持ち歩いてるのか。
処分したくても紗夜が写ってる写真を燃やせる訳が無い。
自分のトコだけ切り抜きたいが、写真がでこぼこして不恰好だし。
顔だけ切り抜いて自分の首無し写真になるのも難だ。
双子とか姉妹に……見えるンかねぇ?
俺にはそう見えない。
背後がエプロン愛好会♪とか乙女サロンに憧れてたけど俺男だから。日本男児だから。
そういうのが許されるキャラでもねェよ。
指くわえて見てれば良い。
まぁ、何が言いたいかってぇと
こういうネタは辞めれ。中の人。似合わねェ。
以下、日記
=====8日目・移動中=====
戦闘を終え、諸々の行動も終えてエリア移動をする。
ズシッ ズッシ……
重そうな足音をさせているのは我らが壁、式村
……ではなく、キルサンに懐いてついてきた歩行小岩だ。
岩と名がつくだけあって、硬い。
2頭がかりだったとはいえ、頑丈な式村をダウンさせた。
きっと俺が素手で殴ってみても痛くも痒くもないのだろう。
寧ろ自分の手が痛くなるだけのように思う。
てか、歩行小岩に轢かれてダウンで済んでる式村も相当頑丈だが。
対象が俺なら、ダウンでは済まなかっただろう。
しかし、マンガみたいに地面にめりこむ人間を見たのは初めてだ。
懐からメモ帳を取り出し、新しい項目を書き込む。
・小岩が轢いても壊れない
……昔の筆箱みたいだな。
そんな事を考えながら歩いていくと、砂地が石の床に変わった。
キルサンの出力した半透明のダンジョンマップは、T-21地点が点滅している。
今日の目的地だ。
メモ帳を閉じて、野営の準備を始める事にした。
=====8日目・夜=====
野営の準備中、ペンダントに腕を引っかけてしまった。
―――カツン。
「あ」
ペンダントが壊れ、固い石の床に、シェルをはめ込んだ銀の指輪が転がる。
急いで拾い上げ、損傷が無いか確かめてみる。
大した傷は無いようだ。
革紐と金具で繋いである、式村とほぼおそろいのペンダント。
思い入れのある物で、もう10年近く、常に身につけていた。
手入れもしてはいたが、革紐も金具も結構痛んでいた。
革紐とリングを繋ぐ金具が壊れてしまっている。
革紐だけで使うには少々短い。
かといって金具を直す技術なんて俺は持ってない。
どうしたものか……
『ふふ、嬉しいですね。ワタクシでよければ、またお作りしますわ。
ご用命の際は伝書鳩など飛ばして下さいませ』
そう言って微笑む、人形みたいに綺麗な女性の姿が脳裏に浮かぶ。
最初はただのシルバーリングだった。
それに小さい貝殻をはめ込んで、見事な細工物に仕立ててくれた女性。
彼女なら……
優しさに漬け込むようで申し訳ない気持ちになりながら、俺は手紙を書き、伝書鳩を飛ばした。
ほどなくして帰って来た鳩の足には、装飾作成依頼了承の旨が綴られていた。
申し訳ない程の願いだというのに、彼女は快く引き受けてくれた。
本当に申し訳ないが、俺たちが先々他のPTと出会う可能性は低い。
厚かましいが、ご厚意に甘えさせてもらう事にした。
仕様を決めなくては。素材の黄鉄鉱を手で転がしながら思う。
名前は何にしよう。
黄鉄鉱、鉱物だけにチェーンだよな。
チェーンは鎖、首にかけるから首輪……
【鎖輪】と書いて【さりん】というのはどうだろう。
響きも悪くない。
挨拶と、仕様をメモに書き、伝書鳩の足のホルダに納めて飛ばす。
彼女の居るエリアに向かって飛ぶ鳩を見送り、俺は野営の準備に掛かった。
=====8日目・夜。自由行動中=====
野営の準備も滞りなく終わった。
移動や作成依頼、生技関係も含め、明日の予定も充分話し合った。
まだ時間に余裕がある為、エリア内に限り各自自由行動となった。
といっても特にする事が無い。
どうしたモンかと視線をさまよわせていると、キルサンが目に留まった。
少し観察してみる事にした。
キルサンの【グラフィック】は金髪緑目の5歳ほどの子供に見える。
緑のコートのようなものを着ていて、大抵地面から数十センチ程浮いている。
あと、3枚翼の生えた蛇が近くをふよふよしている。
キルサンのサポートプログラムで、名前をドゥーネア、と言うらしい。
少し光っているので、暗くても姿が確認できる
今は半透明のウインドウを開いて、文字の羅列を組み上げている。
作業をしているらしい。
そういえば俺はキルサンの事を何も知らない。
必要以上に他者の事を知ろうとするのは気持ちの良いことじゃない、それは解っている。
だが、同行者の邪魔にならない為に、最低限は相手の事を把握しておくべきかもしれない。
キルサンが忙しい時期なので、質問とかは様子を見てまた後日に。
よくよく考えれば、俺はハイテクの粋とつるんでる事になる。
凄いのかどうかは解らないが、観察してみると、以外に面白い。
失礼だが、見ていて飽きない。
もう少し観察してみよう。
と思ったその時、キルサンが突然姿を消した。
【グラフィックをオフにした】のか。
負荷を軽減して作業に専念するらしい。
少々残念だが、また明日になれば会える。
作業に専念して貰えるよう、そっとしておく事にした。
=====8日目・夜。就寝前=====
寝る前に、明日やる事、ある事について脳内チェックをする。
武具と装飾の作成依頼と……
頭に、木製のシンプルな弓と、金属のチェーンネックレスのイメージが浮かぶ。
彼女が作るものなら満足のいくものになる。そういう確信があった。
鎖輪か…… たのしみd
って某地下鉄の毒ガス名と響き同じだよオイ。
不謹慎にも程があるとかクレーム来たらどうしよう。
ごめんなさい、そんな積りじゃなかったんです。マジで。
これは……夢ね
ああ、悪い夢さ
そんな訳は無いが、とりあえずもう寝る。
=====9日目・朝=====
目が覚めると、そこは不思議な遺跡の中。
レンガ壁の薄暗い地下迷宮。
完全な暗闇では無いが、太陽光は殆ど届かない。
懐から時計を取り出して、バックライトを点灯させる。
一時期流行ったG-SHOCKINGのパネルには、4が3つ並んでいた。
「ふぅ。また穴ぐら生活ですかい…… 」
思わず愚痴がこぼれる。
俺の心の太陽も同じエリアに居ないし。
つーか遠ざかる事になったし。
別に色狂いではない。
モテたためしも無ければ、恋愛云々に向いてない自覚もある。
だが、男ばかりのむさ苦しいPTで活動していれば、心に潤いがほしくなる。
圭さん?
今この島に来てる恋人サンと結婚するし。
未来の義姉に対して失礼だと思う。
ってマテや俺。圭さんが義姉になるのは式村と紗夜が結婚した場合だ。
何2人の結婚を当たり前に受け止めてンだ俺。
お父さん弟さんは認めん。認めんぞ!!
何か別な事を考えよう。そうだな、まずはこれからについてだ。
……アレだ、歩行雑草兄貴救出について。
まず、兄貴がいると思しき地点には、最短距離で移動しなければ食料が足りない。
「飯足りねェな」
「じゃあ最短距離だな」
そんなノリでものっそいアッサリ床突貫に決定。
お前らギャンブラーですか。
どうしてこんな事になったんだ。
装備の素材用に保存食買い込みすぎたからか。そうか。
俺が間違ってました。
まぁ、それは置いといて。
今日の探索の為の準備をしなくては。
寝袋をたたんで仕舞い、少し離れた場所でストレッチを始める。
ここの空気は澄んでも居なければ淀んでもいない。
石の床は冷たいが、野営が出来る分、マシといえばマシ。
心地よいとも心地悪いともいえない。
好きではないが嫌いでもない。
「…紗夜が二人? 双子、なワケねえよなぁ」
背後で式村が何か呟いた。
夢か幻覚か知らんが放置推奨だ。
ストレッチと軽い運動を終えて身支度をしていると、近接エリアの人々が動き出す気配がした。
キルサンが姿を見せ、式村兄妹も起き出してきた。
俺はメモ帳と手帳の整理を中断し、彼らに合流する。
手帳を閉じようとしたその時、大変な事に気がついた。
……ない。大切なモノが無くなっている。
=====
どこで無くしたのだろう。
野営地周辺、寝袋の中、俺の服のポケットの中、くまなく探してみるが、見つからない。
そんな俺を、同行者は不思議そうに見ている。
ない。どこにも無い。
そんな時はアレだ。
【おもいだす】を使うんだ、俺。
昨日、寝る前にはあったのをはっきり覚えている。
寝ている間は無理として、今日、朝起きてからの出来事を思い出せば見つかるだろう。
何か変わった出来事、気になる事、落としていそうな時は無かっただろうか。
そういえばさっき式村が何か言ってた気がする。
あれはたしか……
『…紗夜が二人? 双子、なワケねえよなぁ』
……
それは俺のブラッククロニコゥではなかろうか。
戦闘を終え、諸々の行動も終えてエリア移動をする。
ズシッ ズッシ……
重そうな足音をさせているのは我らが壁、式村
……ではなく、キルサンに懐いてついてきた歩行小岩だ。
岩と名がつくだけあって、硬い。
2頭がかりだったとはいえ、頑丈な式村をダウンさせた。
きっと俺が素手で殴ってみても痛くも痒くもないのだろう。
寧ろ自分の手が痛くなるだけのように思う。
てか、歩行小岩に轢かれてダウンで済んでる式村も相当頑丈だが。
対象が俺なら、ダウンでは済まなかっただろう。
しかし、マンガみたいに地面にめりこむ人間を見たのは初めてだ。
懐からメモ帳を取り出し、新しい項目を書き込む。
・小岩が轢いても壊れない
……昔の筆箱みたいだな。
そんな事を考えながら歩いていくと、砂地が石の床に変わった。
キルサンの出力した半透明のダンジョンマップは、T-21地点が点滅している。
今日の目的地だ。
メモ帳を閉じて、野営の準備を始める事にした。
=====8日目・夜=====
野営の準備中、ペンダントに腕を引っかけてしまった。
―――カツン。
「あ」
ペンダントが壊れ、固い石の床に、シェルをはめ込んだ銀の指輪が転がる。
急いで拾い上げ、損傷が無いか確かめてみる。
大した傷は無いようだ。
革紐と金具で繋いである、式村とほぼおそろいのペンダント。
思い入れのある物で、もう10年近く、常に身につけていた。
手入れもしてはいたが、革紐も金具も結構痛んでいた。
革紐とリングを繋ぐ金具が壊れてしまっている。
革紐だけで使うには少々短い。
かといって金具を直す技術なんて俺は持ってない。
どうしたものか……
『ふふ、嬉しいですね。ワタクシでよければ、またお作りしますわ。
ご用命の際は伝書鳩など飛ばして下さいませ』
そう言って微笑む、人形みたいに綺麗な女性の姿が脳裏に浮かぶ。
最初はただのシルバーリングだった。
それに小さい貝殻をはめ込んで、見事な細工物に仕立ててくれた女性。
彼女なら……
優しさに漬け込むようで申し訳ない気持ちになりながら、俺は手紙を書き、伝書鳩を飛ばした。
ほどなくして帰って来た鳩の足には、装飾作成依頼了承の旨が綴られていた。
申し訳ない程の願いだというのに、彼女は快く引き受けてくれた。
本当に申し訳ないが、俺たちが先々他のPTと出会う可能性は低い。
厚かましいが、ご厚意に甘えさせてもらう事にした。
仕様を決めなくては。素材の黄鉄鉱を手で転がしながら思う。
名前は何にしよう。
黄鉄鉱、鉱物だけにチェーンだよな。
チェーンは鎖、首にかけるから首輪……
【鎖輪】と書いて【さりん】というのはどうだろう。
響きも悪くない。
挨拶と、仕様をメモに書き、伝書鳩の足のホルダに納めて飛ばす。
彼女の居るエリアに向かって飛ぶ鳩を見送り、俺は野営の準備に掛かった。
=====8日目・夜。自由行動中=====
野営の準備も滞りなく終わった。
移動や作成依頼、生技関係も含め、明日の予定も充分話し合った。
まだ時間に余裕がある為、エリア内に限り各自自由行動となった。
といっても特にする事が無い。
どうしたモンかと視線をさまよわせていると、キルサンが目に留まった。
少し観察してみる事にした。
キルサンの【グラフィック】は金髪緑目の5歳ほどの子供に見える。
緑のコートのようなものを着ていて、大抵地面から数十センチ程浮いている。
あと、3枚翼の生えた蛇が近くをふよふよしている。
キルサンのサポートプログラムで、名前をドゥーネア、と言うらしい。
少し光っているので、暗くても姿が確認できる
今は半透明のウインドウを開いて、文字の羅列を組み上げている。
作業をしているらしい。
そういえば俺はキルサンの事を何も知らない。
必要以上に他者の事を知ろうとするのは気持ちの良いことじゃない、それは解っている。
だが、同行者の邪魔にならない為に、最低限は相手の事を把握しておくべきかもしれない。
キルサンが忙しい時期なので、質問とかは様子を見てまた後日に。
よくよく考えれば、俺はハイテクの粋とつるんでる事になる。
凄いのかどうかは解らないが、観察してみると、以外に面白い。
失礼だが、見ていて飽きない。
もう少し観察してみよう。
と思ったその時、キルサンが突然姿を消した。
【グラフィックをオフにした】のか。
負荷を軽減して作業に専念するらしい。
少々残念だが、また明日になれば会える。
作業に専念して貰えるよう、そっとしておく事にした。
=====8日目・夜。就寝前=====
寝る前に、明日やる事、ある事について脳内チェックをする。
武具と装飾の作成依頼と……
頭に、木製のシンプルな弓と、金属のチェーンネックレスのイメージが浮かぶ。
彼女が作るものなら満足のいくものになる。そういう確信があった。
鎖輪か…… たのしみd
って某地下鉄の毒ガス名と響き同じだよオイ。
不謹慎にも程があるとかクレーム来たらどうしよう。
ごめんなさい、そんな積りじゃなかったんです。マジで。
これは……夢ね
ああ、悪い夢さ
そんな訳は無いが、とりあえずもう寝る。
=====9日目・朝=====
目が覚めると、そこは不思議な遺跡の中。
レンガ壁の薄暗い地下迷宮。
完全な暗闇では無いが、太陽光は殆ど届かない。
懐から時計を取り出して、バックライトを点灯させる。
一時期流行ったG-SHOCKINGのパネルには、4が3つ並んでいた。
「ふぅ。また穴ぐら生活ですかい…… 」
思わず愚痴がこぼれる。
俺の心の太陽も同じエリアに居ないし。
つーか遠ざかる事になったし。
別に色狂いではない。
モテたためしも無ければ、恋愛云々に向いてない自覚もある。
だが、男ばかりのむさ苦しいPTで活動していれば、心に潤いがほしくなる。
圭さん?
今この島に来てる恋人サンと結婚するし。
未来の義姉に対して失礼だと思う。
ってマテや俺。圭さんが義姉になるのは式村と紗夜が結婚した場合だ。
何2人の結婚を当たり前に受け止めてンだ俺。
お父さん弟さんは認めん。認めんぞ!!
何か別な事を考えよう。そうだな、まずはこれからについてだ。
……アレだ、歩行雑草兄貴救出について。
まず、兄貴がいると思しき地点には、最短距離で移動しなければ食料が足りない。
「飯足りねェな」
「じゃあ最短距離だな」
そんなノリでものっそいアッサリ床突貫に決定。
お前らギャンブラーですか。
どうしてこんな事になったんだ。
装備の素材用に保存食買い込みすぎたからか。そうか。
俺が間違ってました。
まぁ、それは置いといて。
今日の探索の為の準備をしなくては。
寝袋をたたんで仕舞い、少し離れた場所でストレッチを始める。
ここの空気は澄んでも居なければ淀んでもいない。
石の床は冷たいが、野営が出来る分、マシといえばマシ。
心地よいとも心地悪いともいえない。
好きではないが嫌いでもない。
「…紗夜が二人? 双子、なワケねえよなぁ」
背後で式村が何か呟いた。
夢か幻覚か知らんが放置推奨だ。
ストレッチと軽い運動を終えて身支度をしていると、近接エリアの人々が動き出す気配がした。
キルサンが姿を見せ、式村兄妹も起き出してきた。
俺はメモ帳と手帳の整理を中断し、彼らに合流する。
手帳を閉じようとしたその時、大変な事に気がついた。
……ない。大切なモノが無くなっている。
=====
どこで無くしたのだろう。
野営地周辺、寝袋の中、俺の服のポケットの中、くまなく探してみるが、見つからない。
そんな俺を、同行者は不思議そうに見ている。
ない。どこにも無い。
そんな時はアレだ。
【おもいだす】を使うんだ、俺。
昨日、寝る前にはあったのをはっきり覚えている。
寝ている間は無理として、今日、朝起きてからの出来事を思い出せば見つかるだろう。
何か変わった出来事、気になる事、落としていそうな時は無かっただろうか。
そういえばさっき式村が何か言ってた気がする。
あれはたしか……
『…紗夜が二人? 双子、なワケねえよなぁ』
……
それは俺のブラッククロニコゥではなかろうか。
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