冒険ではミスや申し訳ないことばっかりやらかして、
メッセやコミュニティでも浦島状態になってて、
遺跡外の宿泊施設でニートよろしくな生活を送っている今日この頃。
狐は珍しく一人で散策に出かけると言って部屋を出て行った。
『一人で良い子にお留守番できるよねェ?
良い子にしてたらもしかして気前良くお土産を持って帰って来る可能性が無い訳でもない、本当に僅かな確率ではあるがね。
その僅かな可能性に期待してワクワクしながら良い子で待っててくれたまへ、じゃぁねぇ~』
部屋に一人残された俺は暇を持て余し、気がつけばもう二度と会う事もない者の面影を書き殴っていた。
なんて無駄な。
紙の上の線の塊を見て俺は自嘲して笑う。
そんな事して何になる。
誰が喜ぶ訳でも無い。
若干声を上げて笑いながら、俺は書き殴った紙を破り捨てた。
ゴミ箱に紙片を降らせ終えて、ベッドにもぐりこむ。
この身体能力は非常に燃費が悪く、すぐに眠くなる。
毛布を被り、大きく深呼吸する。
とたんに、より一層強い眠気が降りてくる。
知り合った者の見た目を覚え書きする癖への興味関心も、急につまらない事に思えてくる。
描かれた者が100%満足するものはそりゃあ無理だが、
【ありがとう】という言葉を相手から貰う事が凄く嬉しくて今までやってきたのだという結論に至る。
そんなエゴや我儘、下心、汚い感情の塊がある事など、分かりきって居た筈だった。
それでも、その時、汚い感情の只中で溺れて居る己に気付くと、少なからず凹んだ。
今は眠ってしまおう。
もう起き上がるのも面倒くさい。
後で、目が覚めたら、画材は全て破棄しよう。
そう決めて、目を閉じた。
目を覚ますと、日が傾いていた。
狐は既に部屋に戻っていた。
土産は長い長い【土産話】だった。
適当に相槌を打ちながら画材置き場に目をやると、絵の具や絵筆や、画材一式が綺麗に消えていた。
『あぁ、ちょっと借りてるよ、満足したらその内返す積りだから心配しなくて良いよ。』
狐がけろっとした顔で言う。
……まぁ、処分する手間が省けていいか。
「いいよ、永遠に満足しなくて」
醒めきったツラに、温度の低い声で俺が返すと、お面のような顔をした狐が珍しく不思議そうな顔をした。
珍しくそれ以上の追求は無かった。
俺は再びベッドに埋もれ、惰眠を貪った。
7歳ほどといえば育ち盛りだ。
この姿で過ごしている内に身長が伸びて、元に戻った時の身長に反映されれば良いのに。
そんな事を思いながら、眠った。
この島に持って来た本を手に入れたときの事を夢に見た。
=====
それから暫く後の事。
最近知り合った、素敵な「冒険するお母さん」に、
戴いてしまった。
俺の、ちゃんと17歳のカッコした俺の似顔絵。
嬉しくてそこいら中転げまわったのはここだけの話。
そんな事できるのも遺跡外で留守番してる今しかない。
まぁ、狐には転げまわる様子をバッチリ見られてた訳だが…
少なからず凹む事が何かと多かった最近において、
大神下ろし級の仕合せに、少なからず驚いた。
次の瞬間、自分がこんな仕合せな目を見ていいのだろうかと言う不安が沸いた。
でも、心の中には青い空、澄み渡る空気、ZEKKEIの野山が広がっている。
思わずスケッチブックを探しかけて、ハッとした。
そうだった。
俺はもう描く事を破棄したのだった。
画材を処分した事を、軽く後悔した。
『画材、ほしくなったかい?』
狐がニヤリと笑って尾を振る。
俺が頷くのを待たずして狐はどこかから、元俺の画材一式を取り出して、カーペットの上に綺麗に並べていった。
『満足したから今の所君に渡しておくよ、スケッチブックの中身がある程度増えたら、また返して貰おうかなぁ、うふふ』
どんな腹積もりなのかは知らないが、あっさりと画材は手元に戻った。
俺は恐る恐る画材をかき集め、元の収納場所に戻す。
狐は奇妙な鼻歌を歌いながら尾を振っている。
よく分からないがいたく上機嫌らしい。
こいつの考えてる事は本当によく分からない。
メッセやコミュニティでも浦島状態になってて、
遺跡外の宿泊施設でニートよろしくな生活を送っている今日この頃。
狐は珍しく一人で散策に出かけると言って部屋を出て行った。
『一人で良い子にお留守番できるよねェ?
良い子にしてたらもしかして気前良くお土産を持って帰って来る可能性が無い訳でもない、本当に僅かな確率ではあるがね。
その僅かな可能性に期待してワクワクしながら良い子で待っててくれたまへ、じゃぁねぇ~』
部屋に一人残された俺は暇を持て余し、気がつけばもう二度と会う事もない者の面影を書き殴っていた。
なんて無駄な。
紙の上の線の塊を見て俺は自嘲して笑う。
そんな事して何になる。
誰が喜ぶ訳でも無い。
若干声を上げて笑いながら、俺は書き殴った紙を破り捨てた。
ゴミ箱に紙片を降らせ終えて、ベッドにもぐりこむ。
この身体能力は非常に燃費が悪く、すぐに眠くなる。
毛布を被り、大きく深呼吸する。
とたんに、より一層強い眠気が降りてくる。
知り合った者の見た目を覚え書きする癖への興味関心も、急につまらない事に思えてくる。
描かれた者が100%満足するものはそりゃあ無理だが、
【ありがとう】という言葉を相手から貰う事が凄く嬉しくて今までやってきたのだという結論に至る。
そんなエゴや我儘、下心、汚い感情の塊がある事など、分かりきって居た筈だった。
それでも、その時、汚い感情の只中で溺れて居る己に気付くと、少なからず凹んだ。
今は眠ってしまおう。
もう起き上がるのも面倒くさい。
後で、目が覚めたら、画材は全て破棄しよう。
そう決めて、目を閉じた。
目を覚ますと、日が傾いていた。
狐は既に部屋に戻っていた。
土産は長い長い【土産話】だった。
適当に相槌を打ちながら画材置き場に目をやると、絵の具や絵筆や、画材一式が綺麗に消えていた。
『あぁ、ちょっと借りてるよ、満足したらその内返す積りだから心配しなくて良いよ。』
狐がけろっとした顔で言う。
……まぁ、処分する手間が省けていいか。
「いいよ、永遠に満足しなくて」
醒めきったツラに、温度の低い声で俺が返すと、お面のような顔をした狐が珍しく不思議そうな顔をした。
珍しくそれ以上の追求は無かった。
俺は再びベッドに埋もれ、惰眠を貪った。
7歳ほどといえば育ち盛りだ。
この姿で過ごしている内に身長が伸びて、元に戻った時の身長に反映されれば良いのに。
そんな事を思いながら、眠った。
この島に持って来た本を手に入れたときの事を夢に見た。
=====
それから暫く後の事。
最近知り合った、素敵な「冒険するお母さん」に、
戴いてしまった。
俺の、ちゃんと17歳のカッコした俺の似顔絵。
嬉しくてそこいら中転げまわったのはここだけの話。
そんな事できるのも遺跡外で留守番してる今しかない。
まぁ、狐には転げまわる様子をバッチリ見られてた訳だが…
少なからず凹む事が何かと多かった最近において、
大神下ろし級の仕合せに、少なからず驚いた。
次の瞬間、自分がこんな仕合せな目を見ていいのだろうかと言う不安が沸いた。
でも、心の中には青い空、澄み渡る空気、ZEKKEIの野山が広がっている。
思わずスケッチブックを探しかけて、ハッとした。
そうだった。
俺はもう描く事を破棄したのだった。
画材を処分した事を、軽く後悔した。
『画材、ほしくなったかい?』
狐がニヤリと笑って尾を振る。
俺が頷くのを待たずして狐はどこかから、元俺の画材一式を取り出して、カーペットの上に綺麗に並べていった。
『満足したから今の所君に渡しておくよ、スケッチブックの中身がある程度増えたら、また返して貰おうかなぁ、うふふ』
どんな腹積もりなのかは知らないが、あっさりと画材は手元に戻った。
俺は恐る恐る画材をかき集め、元の収納場所に戻す。
狐は奇妙な鼻歌を歌いながら尾を振っている。
よく分からないがいたく上機嫌らしい。
こいつの考えてる事は本当によく分からない。
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