JOJOネタに付き合ってくれた同行者が7日目にしっとマスクになっていた
お返しにならないけど未来の義弟(仮)はノってみますぜ
元ネタの人そのまんま使う勇気ねーから微妙なパロですが
アンタと違ってふがいないモンで。
以下、日記
=====7日目・遺跡内B1F、T-18地点=====
今日は食事抜き。
断食の行ではなく、ただ、飯が無い。
今日で遺跡を出るから、それまでの事なのだが。
今日の相手はギチギチ不快な音を立てる偽妖精と矢鱈大きい鳩。
あぁ、鳩肉は食えるよな。
ミミズより大分マトモな肉だ。
鳥を捌いた事は無いが、問題ない。
キルサンが検索可能なら料理ナビして貰えば良い。
今後を思えば、生き物の捌き方は覚えておくべきだ。
キルリアさんが忙しくなければ協力してくれるだろう。
ここ数日で、マトモな食材の有難みを学んだ気がする。
=====7日目・夕方、遺跡外=====
つつがなく殴り倒し撃ち落し、毟り取った後、遺跡外に戻る。
久しぶりの外は、開放感と清々しさが満ちていた。
探索を終えて遺跡外に戻った者達は晴れやかな顔、ほっとした顔を浮かべて、野営の準備をしている。
その中で、俺は酷く苛々していた。
他人同然の者に、家族の事で判ったような事を言われた。
それが我慢なら無い。
式村みたいに当人と親しくしていた訳でもない、会った事すらない癖に。
ついでに言えば、姉が居る事やケンカの事も、そいつに話した覚えは無い。
式村兄妹やキルサンが話した様子も無い。
にもかかわらず、さも当然と言わんばかりに知っていた。
関係者面で、いかにも気を使ってます、みたいな言葉をかけられた。
そういう奴が心底嫌いだと言うのに。
俺は喘息持ちだ。正直、この島に来るなんて、自殺行為に等しい。
だが、そんな事が知れたらお荷物判定され、変な目で見られる。
それが分かっているから、隠している。
先日、式村とのケンカで発作を起した。
同行者にばれない様、視線が此方に向いていない内に、経口薬で抑えた。
式村の物凄く重たい拳を受けて咳が止まらなかった、と言い訳をした。
拙い言い訳だと思ったが、幸い、持病には気付かれなかった。
ただ一人、キルサンを除いて。
キルサンが自身や同行者に行うステータススキャン。
各々の体調を管理し、少しでも危険性が減るように行われる。
5日目の深夜、他に誰も居ない所でキルさんに体調の指摘を受けた。
スキャンを受けていた事はその時初めて知ったが、俺はそういう干渉は受け容れている。
不自然ではないし、信頼するに足る。
なぜなら、キルサンは同行者であり、医学持ちの利器だから。
俺にもキルサンにも痛くない条件つきで、
持病について黙っていると約束もしている。
俺自身がヘマをしない限り、他者にバレる事はない。
姉についての事は、制限も秘密にもしていなかったが、
俺の記憶が確かなら、姉についてそいつと話していた奴は居ない。
そいつがメッセージを飛ばしてきた頃にはケンカや何やしてないし、
そもそも、叫びも届かない程遠くで探索している。
【常識的に考えれば】知った面をされるには無理がありすぎる。
野次馬根性でヒトの頭の中を覗き見されたようで、酷く不快になった。
頭の奥で何かがチリチリくすぶっている。
多分、もうすぐ炎上するだろう。
ちなみに、先日知り合った、不器用つながりの娘さんの事ではない。
彼女には何か、弟サーチのようなものが備わっている気がする。
ある意味俺と同類か、近いのかもしれない。
彼女に対して至極失礼に当たるが。
=====7日目・夜、経過報告=====
人の居る場所から少し離れ、通信端末を取り出す。
発信履歴から最後に通信した番号を選択し、通話キーを押した。
2コール目がなる前に、中高年の男が返って来る。
遺跡に入ってから今までに起きた事の触りを報告する。
通信端末の向こうからは、相変わらず相槌一つ、感嘆詞一つ返って来ない。
「……今んトコ、報告はそんなモンです」
そうしめくくると、間髪入れず男の声が返ってくる。
「そうか。では同行して引き続き調査を」
前回と全く同じ平坦な声。
この調査に、意味はあるのだろうか。
紗夜の事が気がかりで仕方ないが、同行者を放置して帰る訳にも行かない。
先日と同じ質問をしてみる。
「……判りましたよ。所で紗夜は」
「駿斗。雑談なら休日にしなさいと言った筈だ」
プツリ。ツー、ツー、ツー……
またしても通信は一方的に切られた。
予想してはいたが。きちんと紗夜の事を見ているのだろうか。
また今日も仕事を続けているのだろう。
「ダメ親父」
多少空しさを覚えつつ、毒づいた。
=====7日目・夜、経過報告後=====
まだツーツーないている端末の終話キーを押す。
今度は電話帳を呼び出し、目当ての番号にカーソルを合わせて、通話キーを押した。
コール音が鳴り始める。1回、2回、3回……
……11、12
「はぁい?みまさかですっ」
どこか子供じみた、若い女の声が返って来る。いつもの紗夜だ。
電話に出るのが遅いのは、勧誘避け。
ちょっと出るのが遅すぎるが、俺の教えを守っているようだ。
元気と言うかバカというか、相変わらず頭の中は花満開らしい。
何を話そうか迷うが、まず体調からだ。
「俺。ちゃんと生きてるか?」
「あ、すーちゃん!久しぶり久しぶり!
元気にしてた?良い子にしてた?」
小型の動物が全力でじゃれ付いて来るような、甘えた声に変わった。
正直ムカつくが、元気そうで安心した。
「それなり」
「醍センセイは?」
俺の報告内容を、親から聞いているとばかり思っていた。
この様子だと、きちんと会っているかも怪しい。
マトモに紗夜の相手をするのは骨が折れるが、放置はダメだ。
「あ?式村?」
婚約者と会えず寂しい、様子が気がかりなのは察しなくもない。
だが、姉弟の会話もそこそこに式村の話題を向けられると、気分が悪い。
そりゃ、柄も悪くなるというものだ。
「……居るけど」
「一緒なんだそうなんだ!!
醍センセイ!醍センセイ!!」
鼓膜が破れそうな大声で叫ばれ、端末を取り落としそうになった。
喜び過ぎにも程がある。
ていうか、何この懐きっぷり。信じらんない。
半分動揺しているのを隠して
「うっせェ」
と返したが、多分聞こえちゃいないだろう。
紗夜の大声が届いたのか、数メートル先に居る式村が怪訝そうに振り返った。
端末で喋ってる俺の方を見て、一瞬硬直する。ひどく意外そうだ。
人語に直すと……
――え、携帯通じるのかよ? ――
といった所か。
俺は半睨みで式村に手招きする。
「すーちゃんすーちゃん、醍センセイとお話したいよ。ダメ?」
大声は収まったが、今度はデレデレに甘えた声で紗夜が言う。
瞬間、脳裏に「SHIT!!」と叫びながらポージングするボディービルダーの姿が浮かぶ。
そいつは宇宙空間でぐるぐる回転しながら、脳天に開いた穴からぶっといビームを放っていた。
紗夜がそう言うと思って式村を呼んだが、無性に苛々する。
別に、式村にサービスしたい訳じゃない。紗夜の為だ。
紗夜の焦がれる醍センセイこと式村 醍。
本日は額に「しっと」と書かれたプロレスマスクみたいなのを被っている。半裸で。
確か圭さんが恋人さんと話してるのを見て嫉妬したとか。
シスコン卒業したってェのは誰だ?
「ねぇすーちゃん。ダメ?」
俺が黙っていると、紗夜が答えを催促してくる。
紗夜、この変態マスク露出狂のどこが良いんだ。
俺は奴が1歩近寄るごとに1歩後ろに下がりたくてたまらない。
かなりお近づきになりたく無い。
こんな奴が、いずれ俺の義兄になるなんて。
先日、コイツを少しでも認めてしまった事を深く悔やんだ。
端末のマイク部分を押さえて、声を一音下げる。
「それ、脱いでから喋れよ」
目の前まで来た式村を思いっきり睨み、乱暴に端末を突き渡す。
「服着てろよ」
野営地に戻り、嫌悪感満載で毒づく。
声が聞こえない様に、寝る事にする。
別に、2人に気を遣ってる訳じゃない。俺が苛付くからだ
だが、断じて嫉妬ではない。
=====8日目・朝=====
目が覚めたら、頭に何か被せられていた。
サラサラした生地で後頭部に革の綴じ口があり、紐で綴じられている。
どうもプロレスマスクみたいなものらしい。
――プロレスマスク?
嫌な予感がした。水場に行き、自分の姿を映してみる。
マスクの額にはローマ数字のIIと「S・H・I・T」の文字。
目の周りは炎模様というより、実際燃えているように見える。
よく見れば服も、赤いパンタロンに裸ベスト。
全く身に覚えは無い。訳が判らない。
「何じゃこりゃあああ!!」
絶叫と共に地面が崩れ、俺は落ちていった。
=====8日目・朝=====
「……は」
酷く嫌な夢を見た気がする。
起き上がろうと手を突くと、傍に何かが落ちていた。
「……プロレスマスク?」
額に、ローマ数字でII、その下に「S・H・I・T」の文字が描かれている。
「……」
誰の持ち物か判らないが、捨てた。
=====8日目=====
各々準備を整えて、集合する。
魔方陣【憩いの印】から、再び遺跡に入る。
主な目的は先日出会った歩行雑草の、浚われた兄貴救助。
今度は少し早く、外に戻れるだろうか。
あの変態マスクをどうしたのか知らないが、式村は今日は元に戻っていた。
紗夜と何を話したのか知らないが、妙にスッキリした顔をしている。
俺は殆ど紗夜と喋れなかったというのに。式村め……
今日からキルサンが作業に専念するらしい。
利器の本領と言えど、矢張り面倒な事を頼んでしまった。
本当に申し訳なく思う。
せめてキルサンの邪魔をしないように、気をつけよう。
今日は食事抜き。
断食の行ではなく、ただ、飯が無い。
今日で遺跡を出るから、それまでの事なのだが。
今日の相手はギチギチ不快な音を立てる偽妖精と矢鱈大きい鳩。
あぁ、鳩肉は食えるよな。
ミミズより大分マトモな肉だ。
鳥を捌いた事は無いが、問題ない。
キルサンが検索可能なら料理ナビして貰えば良い。
今後を思えば、生き物の捌き方は覚えておくべきだ。
キルリアさんが忙しくなければ協力してくれるだろう。
ここ数日で、マトモな食材の有難みを学んだ気がする。
=====7日目・夕方、遺跡外=====
つつがなく殴り倒し撃ち落し、毟り取った後、遺跡外に戻る。
久しぶりの外は、開放感と清々しさが満ちていた。
探索を終えて遺跡外に戻った者達は晴れやかな顔、ほっとした顔を浮かべて、野営の準備をしている。
その中で、俺は酷く苛々していた。
他人同然の者に、家族の事で判ったような事を言われた。
それが我慢なら無い。
式村みたいに当人と親しくしていた訳でもない、会った事すらない癖に。
ついでに言えば、姉が居る事やケンカの事も、そいつに話した覚えは無い。
式村兄妹やキルサンが話した様子も無い。
にもかかわらず、さも当然と言わんばかりに知っていた。
関係者面で、いかにも気を使ってます、みたいな言葉をかけられた。
そういう奴が心底嫌いだと言うのに。
俺は喘息持ちだ。正直、この島に来るなんて、自殺行為に等しい。
だが、そんな事が知れたらお荷物判定され、変な目で見られる。
それが分かっているから、隠している。
先日、式村とのケンカで発作を起した。
同行者にばれない様、視線が此方に向いていない内に、経口薬で抑えた。
式村の物凄く重たい拳を受けて咳が止まらなかった、と言い訳をした。
拙い言い訳だと思ったが、幸い、持病には気付かれなかった。
ただ一人、キルサンを除いて。
キルサンが自身や同行者に行うステータススキャン。
各々の体調を管理し、少しでも危険性が減るように行われる。
5日目の深夜、他に誰も居ない所でキルさんに体調の指摘を受けた。
スキャンを受けていた事はその時初めて知ったが、俺はそういう干渉は受け容れている。
不自然ではないし、信頼するに足る。
なぜなら、キルサンは同行者であり、医学持ちの利器だから。
俺にもキルサンにも痛くない条件つきで、
持病について黙っていると約束もしている。
俺自身がヘマをしない限り、他者にバレる事はない。
姉についての事は、制限も秘密にもしていなかったが、
俺の記憶が確かなら、姉についてそいつと話していた奴は居ない。
そいつがメッセージを飛ばしてきた頃にはケンカや何やしてないし、
そもそも、叫びも届かない程遠くで探索している。
【常識的に考えれば】知った面をされるには無理がありすぎる。
野次馬根性でヒトの頭の中を覗き見されたようで、酷く不快になった。
頭の奥で何かがチリチリくすぶっている。
多分、もうすぐ炎上するだろう。
ちなみに、先日知り合った、不器用つながりの娘さんの事ではない。
彼女には何か、弟サーチのようなものが備わっている気がする。
ある意味俺と同類か、近いのかもしれない。
彼女に対して至極失礼に当たるが。
=====7日目・夜、経過報告=====
人の居る場所から少し離れ、通信端末を取り出す。
発信履歴から最後に通信した番号を選択し、通話キーを押した。
2コール目がなる前に、中高年の男が返って来る。
遺跡に入ってから今までに起きた事の触りを報告する。
通信端末の向こうからは、相変わらず相槌一つ、感嘆詞一つ返って来ない。
「……今んトコ、報告はそんなモンです」
そうしめくくると、間髪入れず男の声が返ってくる。
「そうか。では同行して引き続き調査を」
前回と全く同じ平坦な声。
この調査に、意味はあるのだろうか。
紗夜の事が気がかりで仕方ないが、同行者を放置して帰る訳にも行かない。
先日と同じ質問をしてみる。
「……判りましたよ。所で紗夜は」
「駿斗。雑談なら休日にしなさいと言った筈だ」
プツリ。ツー、ツー、ツー……
またしても通信は一方的に切られた。
予想してはいたが。きちんと紗夜の事を見ているのだろうか。
また今日も仕事を続けているのだろう。
「ダメ親父」
多少空しさを覚えつつ、毒づいた。
=====7日目・夜、経過報告後=====
まだツーツーないている端末の終話キーを押す。
今度は電話帳を呼び出し、目当ての番号にカーソルを合わせて、通話キーを押した。
コール音が鳴り始める。1回、2回、3回……
……11、12
「はぁい?みまさかですっ」
どこか子供じみた、若い女の声が返って来る。いつもの紗夜だ。
電話に出るのが遅いのは、勧誘避け。
ちょっと出るのが遅すぎるが、俺の教えを守っているようだ。
元気と言うかバカというか、相変わらず頭の中は花満開らしい。
何を話そうか迷うが、まず体調からだ。
「俺。ちゃんと生きてるか?」
「あ、すーちゃん!久しぶり久しぶり!
元気にしてた?良い子にしてた?」
小型の動物が全力でじゃれ付いて来るような、甘えた声に変わった。
正直ムカつくが、元気そうで安心した。
「それなり」
「醍センセイは?」
俺の報告内容を、親から聞いているとばかり思っていた。
この様子だと、きちんと会っているかも怪しい。
マトモに紗夜の相手をするのは骨が折れるが、放置はダメだ。
「あ?式村?」
婚約者と会えず寂しい、様子が気がかりなのは察しなくもない。
だが、姉弟の会話もそこそこに式村の話題を向けられると、気分が悪い。
そりゃ、柄も悪くなるというものだ。
「……居るけど」
「一緒なんだそうなんだ!!
醍センセイ!醍センセイ!!」
鼓膜が破れそうな大声で叫ばれ、端末を取り落としそうになった。
喜び過ぎにも程がある。
ていうか、何この懐きっぷり。信じらんない。
半分動揺しているのを隠して
「うっせェ」
と返したが、多分聞こえちゃいないだろう。
紗夜の大声が届いたのか、数メートル先に居る式村が怪訝そうに振り返った。
端末で喋ってる俺の方を見て、一瞬硬直する。ひどく意外そうだ。
人語に直すと……
――え、携帯通じるのかよ? ――
といった所か。
俺は半睨みで式村に手招きする。
「すーちゃんすーちゃん、醍センセイとお話したいよ。ダメ?」
大声は収まったが、今度はデレデレに甘えた声で紗夜が言う。
瞬間、脳裏に「SHIT!!」と叫びながらポージングするボディービルダーの姿が浮かぶ。
そいつは宇宙空間でぐるぐる回転しながら、脳天に開いた穴からぶっといビームを放っていた。
紗夜がそう言うと思って式村を呼んだが、無性に苛々する。
別に、式村にサービスしたい訳じゃない。紗夜の為だ。
紗夜の焦がれる醍センセイこと式村 醍。
本日は額に「しっと」と書かれたプロレスマスクみたいなのを被っている。半裸で。
確か圭さんが恋人さんと話してるのを見て嫉妬したとか。
シスコン卒業したってェのは誰だ?
「ねぇすーちゃん。ダメ?」
俺が黙っていると、紗夜が答えを催促してくる。
紗夜、この変態マスク露出狂のどこが良いんだ。
俺は奴が1歩近寄るごとに1歩後ろに下がりたくてたまらない。
かなりお近づきになりたく無い。
こんな奴が、いずれ俺の義兄になるなんて。
先日、コイツを少しでも認めてしまった事を深く悔やんだ。
端末のマイク部分を押さえて、声を一音下げる。
「それ、脱いでから喋れよ」
目の前まで来た式村を思いっきり睨み、乱暴に端末を突き渡す。
「服着てろよ」
野営地に戻り、嫌悪感満載で毒づく。
声が聞こえない様に、寝る事にする。
別に、2人に気を遣ってる訳じゃない。俺が苛付くからだ
だが、断じて嫉妬ではない。
=====8日目・朝=====
目が覚めたら、頭に何か被せられていた。
サラサラした生地で後頭部に革の綴じ口があり、紐で綴じられている。
どうもプロレスマスクみたいなものらしい。
――プロレスマスク?
嫌な予感がした。水場に行き、自分の姿を映してみる。
マスクの額にはローマ数字のIIと「S・H・I・T」の文字。
目の周りは炎模様というより、実際燃えているように見える。
よく見れば服も、赤いパンタロンに裸ベスト。
全く身に覚えは無い。訳が判らない。
「何じゃこりゃあああ!!」
絶叫と共に地面が崩れ、俺は落ちていった。
=====8日目・朝=====
「……は」
酷く嫌な夢を見た気がする。
起き上がろうと手を突くと、傍に何かが落ちていた。
「……プロレスマスク?」
額に、ローマ数字でII、その下に「S・H・I・T」の文字が描かれている。
「……」
誰の持ち物か判らないが、捨てた。
=====8日目=====
各々準備を整えて、集合する。
魔方陣【憩いの印】から、再び遺跡に入る。
主な目的は先日出会った歩行雑草の、浚われた兄貴救助。
今度は少し早く、外に戻れるだろうか。
あの変態マスクをどうしたのか知らないが、式村は今日は元に戻っていた。
紗夜と何を話したのか知らないが、妙にスッキリした顔をしている。
俺は殆ど紗夜と喋れなかったというのに。式村め……
今日からキルサンが作業に専念するらしい。
利器の本領と言えど、矢張り面倒な事を頼んでしまった。
本当に申し訳なく思う。
せめてキルサンの邪魔をしないように、気をつけよう。
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