7日目。キルサンのリクエストが甲殻ミミズの特製ミートソースパスタだった。
材料はいわずと知れたミミズ肉(おにく50)
先にマトモな食材(式村、俺分)から調理するか、
とか言って式村分作成
↓
調理法思いつかないうちに完成。どうする俺
たたかう
にげる
ごまかす
おくのて
→りょうり
まぁ思いつかん成りにやってやるぜ!とガッツポーズ
↓
俺の分わすれてました(おいしい草つぶし)
そんな判りづらいネタ
以下日記
=====これまでの事=====
式村の素行調査に来て、式村と妹の圭さん、
近未来チックなプログラムのキルリアさんと同行する事になった。
日を追うごとに式村の素行、証言に幻滅。口喧嘩から掴み合い、そして殴り合いに。
体力少な目の俺 VS ガチのガテン系・激重ハンマ使い。
当然、俺は式村のごっそ重たい拳で轟沈した。
しかもその騒ぎで、いつもより多めにやばいのが寄ってきた。
何とか片したけど、先行きがちょっと不安だ。
その後、大乱戦。
ガ チ で 死 を 覚 悟 し た 。
花畑と川を見た。
晩に、式村と少しだけ和解した。
その後、式村が寝てからキルリアさんと会話をした。
叫びについてぼやいた所で冷静なツッコミを貰い、凹む。
そして更に冷静なツッコミもといお説教が始まった。
=====5日目・深夜=====
「ついでに、スルト。
デバッグと自己管理、してるか?
負荷過多で強制終了・フリーズ、ただの馬鹿」
キルリアさんの指摘に、思わず目を見開く。
「……そこまでお分かりなんで?」
「ハード、負荷過多で暴走起こした。
何か投与で、一時的に持ち直させた。
スキャンすると、すぐわかる。
イキモノで言う『劇薬』、ハードに反映されやすい、良くも悪くも」
掴み合いの喧嘩をしている内に俺は発作を起こしていた。
が、ガチの喧嘩中。興奮状態で気付かなかった。
式村のパンチを食らって吹っ飛んだ後で気付いたのだが、
その時には咳が止まらず、喉がゼイゼイ鳴り、空気を吸えなくなっていた。
吸入薬で抑えようかと思ったが、戦闘の事を考えて、経口薬で発作を抑えた。
その時、式村は俺に背を向けていた。
圭さんとキルリアさんは式村の方を向いていた。
巧く隠しおおせたと思っていたが……
医学持ちの『利器』は伊達ではない。
「一応体調管理はしてた積もり、では居るんですが、
それで治るモンでも無いですしね……」
「治らないな、確か。
それ、慢性的バグ、ダッタ筈?」
「スミマセン。期待してるって言葉掛けて貰ってンのに、
とんだバグ持ちですねェ」
『冒険に不向きな欠陥を抱えてこの島に来た』
そんな事を正直に言えば、お荷物判定は必須。
他者から憐れみの目で見られたり、変に気遣われるのも御免だ。
俺の心情を知ってか知らずか、キルリアさんは無表情のままだ。
「バグのないプログラム、ない。
暴走起こしてフリーズする、演算キツクテ凍る、アルコト」
確かに、バグやフリーズ等は、プログラムの開発や操作等にはつきものだ。
その分馴染んでいるのだろう。
非難や憐れみ、使えない、そう言った類の思考は感じられない。
感情が無いに等しいのもあるのだろうが。
キルリアさんは無機質な声で淡々と続ける。
「デモ、自発的にやって、危険状態に持っていく、危険。
そのうち、ハードごと壊れるぞ?」
「何とか隠しときたかったンですが……」
ハード、身体が壊れるような負担をかけている。
判ってはいる。
そういえば、式村達に伝わっているのだろうか。
「式村兄妹には?」
「ダイ?
言った覚え、無いな」
「圭さんにも、で?」
キルリアさんはこくり、と首を縦に振る。
確かに、キルリアさんが報告してたりバレていれば、
あの兄妹は大騒ぎしていただろう。信じて良さそうだ。
「できればあの二人には言わないでほしいンです。
余計な気ぃ使われたり、変に哀れみの目とか、嫌なンで」
式村兄妹がお人好し級に優しいのは分かっている。
多分、俺がこの島で知り合った人も大抵はそうなんだろう。
だからこそ、下手に気を使わせたく無い。
「ワカッタ。
ある程度なら、クラッキングして、弄れる、それなら」
――弄れる?
「人間のバグを【いじる】ンで?」
キルリアさん、俺らに触れない筈じゃ」
何たら言うプログラムのキルリアさんには実体が無い。
今見えてる、5歳程の子供の姿も、立体幻像だ。
当然、触れないし触れられる事もない。
どうすれば【弄る】事ができるのだろう。
「人間、電流支配されてる。
人間の、見る・聞く・感じると言う、五感。反射。
生体電流と、刺激で支配されてる。
ボクは、人間には触れない。
でも、それを弄ること、デキル」
「あぁ…神経とか何とかの。
確かに電気刺激ですね、アレも」
「スルトが持ってるバグの、軽減道具に『気管支拡張剤』と言うの、アる」
「えぇ、一応もってますが……」
「あれ、交感神経刺激、気管支広げる。
交感神経を弄る、はできる、ゾ?」
「物質的に、消毒したりとかは、無理。
でも、電流クラックで命令発生、自然治癒を上げる・免疫高める、それはデキル。
精度、いうほど高くないから、デバッグも、居るけど」
「副作用とか、やっぱキツいンで?」
「ない、言わない。
デモ、外部から余計なクスリ投与よりは、楽?」
副作用が軽いかも知れない。
それはとても魅力的に思えた。
「正味な話、この島での探索って
いつまで続くのか分かンねェトコに不安があったンですよ。
……持って来た薬がこんだけ」
ポケットを探り、キルリアさんに見せる。
ステロイド錠と気管支拡張剤が1シートずつ。
それと、吸入薬が2瓶。正直、心許ない。
「頻繁にああならねェように料理やらに気ィ使ってはいますが……」
「確か、“喘息”と言うバグ。
バグ、重度時は錠剤だけど、軽度時、吸入薬がメイン――」
キルリアさんの言う通り、喘息の発作時は吸入薬を使う事が多い。
負担は少ないが、収まるまで時間が掛かる。
重症の時や、即効性を求める場合は、経口薬を使う。
ものの数分で収まる代わりに、副作用も重い。
俺の場合は痙攣、倦怠感、手の震え、めまい、
それと、異様に喉が渇いて、水をがぶ飲みするようになる。
薬や体質によるが、不整脈や不眠、味覚異常etc...
肺炎や結核等の感染症を誘発してしまう者も居る。
キルリアさんの言うとおり、劇薬だ。
「吸入だと少し時間が掛かるし、
かといってさっきみたいに戦闘の為にこっち使ってばっかだと
流石にちょっと、この量じゃ心許無ぇですよね」
「きついとき、だけいっても、危険だ、ね。
薬、切れたときバグ暴走。
下手すると、機能停止、する」
機能停止。死ぬ、という事だろう。
命知らずの阿呆な事をしてはいるが、流石に命は惜しい。
「えぇ。その前に帰りてぇしそのつもりでも居ましたが、
組んで行動するのは想定してなかったモンで」
一人で行動し、適度な距離から式村の様子を観察、報告するのだと思っていた。
「かと言ってこのまま二人を放っぽり出して帰る気になれなくて。
キルリアさんと式村兄妹の了承が貰える限り同行してぇ気持ちです」
俺の正直な気持ちを伝えると、キルリアさんは黙った。
こんな欠陥品でも、同行を許されるだろうか。
やや間を置いて、キルリアさんの無機質な声が返ってきた。
「……クラッキングして、デバッグ・メンテ、するから、ナ?
イキモノ、ハードクラックされる、忌み嫌うケド。
放置で壊れられる、迷惑。
ボクに危険、来る」
別に嫌悪感は沸かなかった。
何の事は無い、新しい治療法だ。
俺は拒む気は無い。
許可されたアクセスならば、クラッキングにはならない。
「構わなければ、お願いします」
「ワカッタ」
キルリアさんは医学持ちだ。
信じて、頼んでみる価値はある。
「ハードが物理的に壊れる、そっちまでは無理。
だから、物理的メンテは、自分でスルこと。
ソフト部位、デバッグメンテ、そっちはやる、負担軽く、少しずつ。
ハード的破損、あったら示唆、それは出来るケド」
食事や、治療、睡眠等、物理的な体調管理は自分でするしかない。
免疫向上や、電気刺激による神経の整備はしてくれる、という事か。
「了解です」
「とりあえず、行動。
酸素、持ってる?
多分、ない、予測ダケド」
「えぇ。お察しの通りで」
「――ダイと後で相談、なるけど。
酸素の大目の、草原か森、一度行くがイイ、かな――。
といってもココ、地下。
光合成してる、思えないけど、行けば草木クラック、酸素排出させる、できるし。
血中酸素濃度、低下してる。
酸素濃度、上げたほうが、楽」
それから暫くの間、医学知識や、持ち歩くと便利な物なんかについて話した。
=====6日目・夜=====
「キルリアさん」
「何?」
「まだ出会って間もねェ内からこういうのも難ですが、
キルサンと、略称でお呼びして構わねェでしょうか?」
「良いケド」
キルリアさんの名前が少し呼びやすくなった。
=====7日目=====
先日戦ったミミズの肉塊を目の前にして、腕を組む。
キルサン本日のリクエストは
甲殻蚯蚓の特性ミートソースパスタ
……どうしよう。
いきなりこんなサバイバルメニュー来るとは思わなかった。
てか、ミミズって茹でたら硬くなるんじゃね?
アスファルトの上で真っ黒に干からびてるミミズが脳裏に浮かぶ。
茹でるから、ああはなら無いのかもしれないが。
その代わり、どうなるのかも判らない。
おいしい調理法が思いつかない。
時間が勿体無いので、先に普通の食材を調理する事にした。
パンくずから、クラッカーを作る。これは式村の分。
腹には溜まらないが、今日で一度遺跡外に出る。つなぎには良いだろう。
ミミズ肉のパスタ。パスタ……
ミートソースは、細かく刻めばできるだろう。
問題はパスタだ。細長く切って茹でれば良いのだろうか?
――いやいや、スジ肉か何かじゃあるまいし。
大した案が思い浮かばない内に、クラッカーが出来上がってしまった。
やるしかない。そうしないとキルサンが飢えてしまう。
俺は腹を決め、固く拳を握り締めた。
ぐしゃ
「……ぁ」
気付いた時には手遅れだった。
手の中には、変わり果てた姿のおいしい草……だったもの。
俺のメニューは【擂り潰された草】になった。
式村の素行調査に来て、式村と妹の圭さん、
近未来チックなプログラムのキルリアさんと同行する事になった。
日を追うごとに式村の素行、証言に幻滅。口喧嘩から掴み合い、そして殴り合いに。
体力少な目の俺 VS ガチのガテン系・激重ハンマ使い。
当然、俺は式村のごっそ重たい拳で轟沈した。
しかもその騒ぎで、いつもより多めにやばいのが寄ってきた。
何とか片したけど、先行きがちょっと不安だ。
その後、大乱戦。
ガ チ で 死 を 覚 悟 し た 。
花畑と川を見た。
晩に、式村と少しだけ和解した。
その後、式村が寝てからキルリアさんと会話をした。
叫びについてぼやいた所で冷静なツッコミを貰い、凹む。
そして更に冷静なツッコミもといお説教が始まった。
=====5日目・深夜=====
「ついでに、スルト。
デバッグと自己管理、してるか?
負荷過多で強制終了・フリーズ、ただの馬鹿」
キルリアさんの指摘に、思わず目を見開く。
「……そこまでお分かりなんで?」
「ハード、負荷過多で暴走起こした。
何か投与で、一時的に持ち直させた。
スキャンすると、すぐわかる。
イキモノで言う『劇薬』、ハードに反映されやすい、良くも悪くも」
掴み合いの喧嘩をしている内に俺は発作を起こしていた。
が、ガチの喧嘩中。興奮状態で気付かなかった。
式村のパンチを食らって吹っ飛んだ後で気付いたのだが、
その時には咳が止まらず、喉がゼイゼイ鳴り、空気を吸えなくなっていた。
吸入薬で抑えようかと思ったが、戦闘の事を考えて、経口薬で発作を抑えた。
その時、式村は俺に背を向けていた。
圭さんとキルリアさんは式村の方を向いていた。
巧く隠しおおせたと思っていたが……
医学持ちの『利器』は伊達ではない。
「一応体調管理はしてた積もり、では居るんですが、
それで治るモンでも無いですしね……」
「治らないな、確か。
それ、慢性的バグ、ダッタ筈?」
「スミマセン。期待してるって言葉掛けて貰ってンのに、
とんだバグ持ちですねェ」
『冒険に不向きな欠陥を抱えてこの島に来た』
そんな事を正直に言えば、お荷物判定は必須。
他者から憐れみの目で見られたり、変に気遣われるのも御免だ。
俺の心情を知ってか知らずか、キルリアさんは無表情のままだ。
「バグのないプログラム、ない。
暴走起こしてフリーズする、演算キツクテ凍る、アルコト」
確かに、バグやフリーズ等は、プログラムの開発や操作等にはつきものだ。
その分馴染んでいるのだろう。
非難や憐れみ、使えない、そう言った類の思考は感じられない。
感情が無いに等しいのもあるのだろうが。
キルリアさんは無機質な声で淡々と続ける。
「デモ、自発的にやって、危険状態に持っていく、危険。
そのうち、ハードごと壊れるぞ?」
「何とか隠しときたかったンですが……」
ハード、身体が壊れるような負担をかけている。
判ってはいる。
そういえば、式村達に伝わっているのだろうか。
「式村兄妹には?」
「ダイ?
言った覚え、無いな」
「圭さんにも、で?」
キルリアさんはこくり、と首を縦に振る。
確かに、キルリアさんが報告してたりバレていれば、
あの兄妹は大騒ぎしていただろう。信じて良さそうだ。
「できればあの二人には言わないでほしいンです。
余計な気ぃ使われたり、変に哀れみの目とか、嫌なンで」
式村兄妹がお人好し級に優しいのは分かっている。
多分、俺がこの島で知り合った人も大抵はそうなんだろう。
だからこそ、下手に気を使わせたく無い。
「ワカッタ。
ある程度なら、クラッキングして、弄れる、それなら」
――弄れる?
「人間のバグを【いじる】ンで?」
キルリアさん、俺らに触れない筈じゃ」
何たら言うプログラムのキルリアさんには実体が無い。
今見えてる、5歳程の子供の姿も、立体幻像だ。
当然、触れないし触れられる事もない。
どうすれば【弄る】事ができるのだろう。
「人間、電流支配されてる。
人間の、見る・聞く・感じると言う、五感。反射。
生体電流と、刺激で支配されてる。
ボクは、人間には触れない。
でも、それを弄ること、デキル」
「あぁ…神経とか何とかの。
確かに電気刺激ですね、アレも」
「スルトが持ってるバグの、軽減道具に『気管支拡張剤』と言うの、アる」
「えぇ、一応もってますが……」
「あれ、交感神経刺激、気管支広げる。
交感神経を弄る、はできる、ゾ?」
「物質的に、消毒したりとかは、無理。
でも、電流クラックで命令発生、自然治癒を上げる・免疫高める、それはデキル。
精度、いうほど高くないから、デバッグも、居るけど」
「副作用とか、やっぱキツいンで?」
「ない、言わない。
デモ、外部から余計なクスリ投与よりは、楽?」
副作用が軽いかも知れない。
それはとても魅力的に思えた。
「正味な話、この島での探索って
いつまで続くのか分かンねェトコに不安があったンですよ。
……持って来た薬がこんだけ」
ポケットを探り、キルリアさんに見せる。
ステロイド錠と気管支拡張剤が1シートずつ。
それと、吸入薬が2瓶。正直、心許ない。
「頻繁にああならねェように料理やらに気ィ使ってはいますが……」
「確か、“喘息”と言うバグ。
バグ、重度時は錠剤だけど、軽度時、吸入薬がメイン――」
キルリアさんの言う通り、喘息の発作時は吸入薬を使う事が多い。
負担は少ないが、収まるまで時間が掛かる。
重症の時や、即効性を求める場合は、経口薬を使う。
ものの数分で収まる代わりに、副作用も重い。
俺の場合は痙攣、倦怠感、手の震え、めまい、
それと、異様に喉が渇いて、水をがぶ飲みするようになる。
薬や体質によるが、不整脈や不眠、味覚異常etc...
肺炎や結核等の感染症を誘発してしまう者も居る。
キルリアさんの言うとおり、劇薬だ。
「吸入だと少し時間が掛かるし、
かといってさっきみたいに戦闘の為にこっち使ってばっかだと
流石にちょっと、この量じゃ心許無ぇですよね」
「きついとき、だけいっても、危険だ、ね。
薬、切れたときバグ暴走。
下手すると、機能停止、する」
機能停止。死ぬ、という事だろう。
命知らずの阿呆な事をしてはいるが、流石に命は惜しい。
「えぇ。その前に帰りてぇしそのつもりでも居ましたが、
組んで行動するのは想定してなかったモンで」
一人で行動し、適度な距離から式村の様子を観察、報告するのだと思っていた。
「かと言ってこのまま二人を放っぽり出して帰る気になれなくて。
キルリアさんと式村兄妹の了承が貰える限り同行してぇ気持ちです」
俺の正直な気持ちを伝えると、キルリアさんは黙った。
こんな欠陥品でも、同行を許されるだろうか。
やや間を置いて、キルリアさんの無機質な声が返ってきた。
「……クラッキングして、デバッグ・メンテ、するから、ナ?
イキモノ、ハードクラックされる、忌み嫌うケド。
放置で壊れられる、迷惑。
ボクに危険、来る」
別に嫌悪感は沸かなかった。
何の事は無い、新しい治療法だ。
俺は拒む気は無い。
許可されたアクセスならば、クラッキングにはならない。
「構わなければ、お願いします」
「ワカッタ」
キルリアさんは医学持ちだ。
信じて、頼んでみる価値はある。
「ハードが物理的に壊れる、そっちまでは無理。
だから、物理的メンテは、自分でスルこと。
ソフト部位、デバッグメンテ、そっちはやる、負担軽く、少しずつ。
ハード的破損、あったら示唆、それは出来るケド」
食事や、治療、睡眠等、物理的な体調管理は自分でするしかない。
免疫向上や、電気刺激による神経の整備はしてくれる、という事か。
「了解です」
「とりあえず、行動。
酸素、持ってる?
多分、ない、予測ダケド」
「えぇ。お察しの通りで」
「――ダイと後で相談、なるけど。
酸素の大目の、草原か森、一度行くがイイ、かな――。
といってもココ、地下。
光合成してる、思えないけど、行けば草木クラック、酸素排出させる、できるし。
血中酸素濃度、低下してる。
酸素濃度、上げたほうが、楽」
それから暫くの間、医学知識や、持ち歩くと便利な物なんかについて話した。
=====6日目・夜=====
「キルリアさん」
「何?」
「まだ出会って間もねェ内からこういうのも難ですが、
キルサンと、略称でお呼びして構わねェでしょうか?」
「良いケド」
キルリアさんの名前が少し呼びやすくなった。
=====7日目=====
先日戦ったミミズの肉塊を目の前にして、腕を組む。
キルサン本日のリクエストは
甲殻蚯蚓の特性ミートソースパスタ
……どうしよう。
いきなりこんなサバイバルメニュー来るとは思わなかった。
てか、ミミズって茹でたら硬くなるんじゃね?
アスファルトの上で真っ黒に干からびてるミミズが脳裏に浮かぶ。
茹でるから、ああはなら無いのかもしれないが。
その代わり、どうなるのかも判らない。
おいしい調理法が思いつかない。
時間が勿体無いので、先に普通の食材を調理する事にした。
パンくずから、クラッカーを作る。これは式村の分。
腹には溜まらないが、今日で一度遺跡外に出る。つなぎには良いだろう。
ミミズ肉のパスタ。パスタ……
ミートソースは、細かく刻めばできるだろう。
問題はパスタだ。細長く切って茹でれば良いのだろうか?
――いやいや、スジ肉か何かじゃあるまいし。
大した案が思い浮かばない内に、クラッカーが出来上がってしまった。
やるしかない。そうしないとキルサンが飢えてしまう。
俺は腹を決め、固く拳を握り締めた。
ぐしゃ
「……ぁ」
気付いた時には手遅れだった。
手の中には、変わり果てた姿のおいしい草……だったもの。
俺のメニューは【擂り潰された草】になった。
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