【はじめに】
・偽島1期と2期の駿斗の設定補完とかです。
・辻褄あわせの割に矛盾点が満載です。
・ぽつりぽつりと続いていきます。
・ネタバラシ要素を多分に含みます。
・基本的に脇役【明】の視点で進みます。
・気分の悪い話です。
・痛いです。激痛どころじゃ在りません。
それでも読むぜ、と仰る方はどうぞ。
=====
ある所に一人の少女が居ました。
真っ白い髪に真っ白い肌、小柄で、彫像のように整った顔をしていて、明と名乗ります。
真っ白い道化師めいた法衣を身に纏い、
少女はどこまでも灰色一色で、上下左右のない空間の中、じっとたたずんでいます。
少女の他には誰も居らず、物音も静寂の音さえも存在しません。
少女はただ灰色の空間の、何も無い一点を注視しています。
・偽島1期と2期の駿斗の設定補完とかです。
・辻褄あわせの割に矛盾点が満載です。
・ぽつりぽつりと続いていきます。
・ネタバラシ要素を多分に含みます。
・基本的に脇役【明】の視点で進みます。
・気分の悪い話です。
・痛いです。激痛どころじゃ在りません。
それでも読むぜ、と仰る方はどうぞ。
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ある所に一人の少女が居ました。
真っ白い髪に真っ白い肌、小柄で、彫像のように整った顔をしていて、明と名乗ります。
真っ白い道化師めいた法衣を身に纏い、
少女はどこまでも灰色一色で、上下左右のない空間の中、じっとたたずんでいます。
少女の他には誰も居らず、物音も静寂の音さえも存在しません。
少女はただ灰色の空間の、何も無い一点を注視しています。
ある時。
二人の少女が一人の幼い男の子と一緒に歩いていた。
少し成長した少女は、中学校の制服を着て、黒の鞄を背負った男の子と手をつないでいた。
少女と男の子は6つ年の離れた姉弟で、よく似た顔立ちをしていた。
もう一人の少女は、2年前、事故に遭った時のまま成長していなかった。
少女も男の子も、もう一人の少女には気づかなかった。
仲良く、楽しげに歩いていく二人に、気づかれない少女は幾度目かのかんしゃくを起こした。
あの日と同じコウサテンで、気づかれない少女はあの時と同じ事故を起こした。
姉を庇って、男の子は気づかれない少女とそっくりな肉塊になった。
気づかれない少女と同じ状態になった少年は、悲しそうな顔で自分の容れ物だった体を見ていた。
やがて、気づかれない少女と同じく、姉の傍らに寄り添ったが、矢張り男の子も気づかれなかった。
気づかれない少女も男の子も、お互いの事は見えないようだった。
ある時。己を責め苛んだ少女は精神に破綻を来し、崩壊した。
友人が死んだのも事故が起きるのも弟が死んでしまったのも何もかも自分のせいだ、
と言うような事と、ごめんなさいとくり返しつぶやき、
筆箱から取り出した銀色の刃物をくり返し自分の腕に突き刺しては引いた。
腕が真っ赤に染まっていく。
少女の傍では、気付かれない少女がじっとその様子を見ていた。
「やっと気付いてもらえる、これからはずっと一緒だね。
約束だもん。」
とても嬉しそうに言った。
一方、気付かれない男の子は、どうにかして少女を止めようと必死に足掻いたが、
物に触れられない上、声も心も伝えられない少年が何をしても無駄だった。
やがて少女はふらりと立ち上がり、机の引き出しを探り出した。
半透明なロープの塊を取り出し、病んだ瞳でそれをじっと見つめた。
気付かれない男の子は不意に振り返り、宙を見上げた。
そして、一連の様子を見ていた私と目が合った。
元々少女や男の子達が関わる事の出来ぬ次元から見ている私に気づいた事に、少なからず驚いた。
何を悟ったのか、期待したのか、男の子は私の居る方へと駆け出した。
近くて遠い道のりを、何度も転びながら、一向に縮まる様子を見せない距離感にもめげずに。
長時間、体力の限界まで駆け続け、少年は転んだ。
今度は起き上がらなかった。
男の子の後ろでは、ロープの塊を見つめて固まったように動かなかった少女が、
ゆっくりとロープを引き出し始めた。
男の子は、泣いているように見えた。
少女は、今にもぜんまいの切れそうな玩具のようにゆっくりと、
首を吊る支度をしている。
少女がロープに首をかけた瞬間、目を赤く腫らした男の子は顔を上げ、大声で叫んだ。
「お姉ちゃんを助けて
なんでもするから助けて」
次の瞬間、彼は私の足元に辿り着いていた。
私か滅が招かない限り、この空間に普通の人間は入れない。
それどころか気づく事すら不可能な筈だ。
されど忌々しいヒトの子がいつか言ったように、
抜け道は意外な所にある、とも言う。
私は少しだけ驚きつつ、足元の男の子を見つめた。
彼は
「お姉ちゃんを助けて」
と、泣き声混じりにくり返した。
男の子はとても深い黒の眼をしていた。
二人の少女が一人の幼い男の子と一緒に歩いていた。
少し成長した少女は、中学校の制服を着て、黒の鞄を背負った男の子と手をつないでいた。
少女と男の子は6つ年の離れた姉弟で、よく似た顔立ちをしていた。
もう一人の少女は、2年前、事故に遭った時のまま成長していなかった。
少女も男の子も、もう一人の少女には気づかなかった。
仲良く、楽しげに歩いていく二人に、気づかれない少女は幾度目かのかんしゃくを起こした。
あの日と同じコウサテンで、気づかれない少女はあの時と同じ事故を起こした。
姉を庇って、男の子は気づかれない少女とそっくりな肉塊になった。
気づかれない少女と同じ状態になった少年は、悲しそうな顔で自分の容れ物だった体を見ていた。
やがて、気づかれない少女と同じく、姉の傍らに寄り添ったが、矢張り男の子も気づかれなかった。
気づかれない少女も男の子も、お互いの事は見えないようだった。
ある時。己を責め苛んだ少女は精神に破綻を来し、崩壊した。
友人が死んだのも事故が起きるのも弟が死んでしまったのも何もかも自分のせいだ、
と言うような事と、ごめんなさいとくり返しつぶやき、
筆箱から取り出した銀色の刃物をくり返し自分の腕に突き刺しては引いた。
腕が真っ赤に染まっていく。
少女の傍では、気付かれない少女がじっとその様子を見ていた。
「やっと気付いてもらえる、これからはずっと一緒だね。
約束だもん。」
とても嬉しそうに言った。
一方、気付かれない男の子は、どうにかして少女を止めようと必死に足掻いたが、
物に触れられない上、声も心も伝えられない少年が何をしても無駄だった。
やがて少女はふらりと立ち上がり、机の引き出しを探り出した。
半透明なロープの塊を取り出し、病んだ瞳でそれをじっと見つめた。
気付かれない男の子は不意に振り返り、宙を見上げた。
そして、一連の様子を見ていた私と目が合った。
元々少女や男の子達が関わる事の出来ぬ次元から見ている私に気づいた事に、少なからず驚いた。
何を悟ったのか、期待したのか、男の子は私の居る方へと駆け出した。
近くて遠い道のりを、何度も転びながら、一向に縮まる様子を見せない距離感にもめげずに。
長時間、体力の限界まで駆け続け、少年は転んだ。
今度は起き上がらなかった。
男の子の後ろでは、ロープの塊を見つめて固まったように動かなかった少女が、
ゆっくりとロープを引き出し始めた。
男の子は、泣いているように見えた。
少女は、今にもぜんまいの切れそうな玩具のようにゆっくりと、
首を吊る支度をしている。
少女がロープに首をかけた瞬間、目を赤く腫らした男の子は顔を上げ、大声で叫んだ。
「お姉ちゃんを助けて
なんでもするから助けて」
次の瞬間、彼は私の足元に辿り着いていた。
私か滅が招かない限り、この空間に普通の人間は入れない。
それどころか気づく事すら不可能な筈だ。
されど忌々しいヒトの子がいつか言ったように、
抜け道は意外な所にある、とも言う。
私は少しだけ驚きつつ、足元の男の子を見つめた。
彼は
「お姉ちゃんを助けて」
と、泣き声混じりにくり返した。
男の子はとても深い黒の眼をしていた。
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