悩んで悩んで二期終わりを考えていたけれど、
時間も時間なんで思い切って形だけでも終了させておく。
メモ帳続投なので色々追々やっていこうかと。
折りたたみますね。
時間も時間なんで思い切って形だけでも終了させておく。
メモ帳続投なので色々追々やっていこうかと。
折りたたみますね。
=====
島探索中止のお知らせが出たんで、オレたちの冒険はここでおしまいになった。
ニーさんが別れ際に微妙な顔してた。
オレがいなくて不安なんだろうけど、一人で迷子になって帰ってこれないなんて事はないだろう。
帰りの船でぼけーっとしてると、懐かしの黒電話音が懐から鳴り出した。
ケータイ着信だ。
「たっくん?」
これといっておかしな所もない、標準的な女の声。
だが俺はその声を聞くだけで凍る。
だってその声の持ち主は。
「あくm・・・ ねーちゃん!」
「ちょっと何それ、 心配してるのに酷くない?」
本音トークで死亡フラグを立てかけてしまった。
全力で回避するべく、脳をフルに使って言い訳を考える。
「今のなし!ちょっと聞き間違えただけ!」
呆れたようなため息が返って来る。
これだけじゃまだ気は抜けない
「連絡もしないで! 今どこほっつきあるいてんのよ?」
不満げな声色は変わらない。
きっと膨れ面になっているのだろう。
呪術研究実験台の刑、という言葉が脳裏をよぎる。
オレはできるだけ平静を装って声を絞り出す。
「に、ニーさんと一緒に島に居た。
前バレンタインに行った島。 」
「誰?」
「んい?」
「だからニーさんて誰よ?」
声の調子が怒ってるのとはちょっと違うものになった。
何かおかしなことを言っただろうか。
オレがニーさんという人なんてねーちゃんのがよく知ってる。
「え。 ミマサカニーさんに決まってるじゃんか!」
「ミマサカ君? 」
「そう、ミマサカニーさんならねーちゃんのが付き合い長いじゃん!」
「ちょっとまって、美作君はもう亡くなってるでしょ? 」
「バカ言っちゃって! ニーさんは・・・ あれ? 」
そうだった。
たしかニーさんは俺が6つの時に事故って、そんで。
しかもニーさんなんて呼び方してなかった。
「もう!よその人と間違えたのね!
親切とも限らないのに。
パパもママも心配してるから早く帰ってきなさい」
島にいた「ニーさん」って誰だ。
そう思うと、島での事が急にぼんやりしたワケのわからないモノになった。
「もしもし? たっくん、とにかくちゃんと帰って来なさいよ?」
そういってねーちゃんから電話を切った。
数時間後、家に帰り着いた俺は家族みんなから思い切り叱られた。
説教が一段落して、俺は島で出会った式村の彩さんに聞いたガッコの事を話した。
それから、進路とかについてまじめに長い話をした。
学園の時の醍センセもいるってことで、オレがある程度頑張る事で編入して良いことになった。
良いガッコを教えてくれた彩さんと未来で友達になれるかはオレ次第だ。
今まで不真面目ってワケじゃなかったけど、真剣に頑張ってみようと思った。
=====
島での宝玉探しが中断される事になった。
「あーあ、オレもドラ●ンボール集めて願い叶えたかったっス。」
頭の後ろで腕を組みながら、太子は心底残念そうにぼやいた。
「バカ言ってンじゃねえよ、お前は地道に編入手続きと試験」
「ちぇー! でも彩さんから聞いた感じオレにぴったりの学校っぽいから頑張るッス。」
「不良にはなンなよ?」
「不良はオレのロマンじゃねーッスモン。」
ロマンの問題じゃない気がするが、当人が言うなら問題はなさそうだ。
「じゃ、ここでお別れだ」
「へ?」
二人で帰る気だったのか、太子はきょとんとする。
俺は用意してた言い訳を使う。
「俺はまだ挨拶が終わってねェからな」
「ってニーさん、俺らの町行きなんて・・・
あー、あの娘さんッスね。」
お年頃なんスから!とか言いながら太子が俺の背中を叩く。
「ちげー ワケじゃねえけど痛てぇよバカ!
分かったら俺の邪魔にならンように早よ帰れ。」
挨拶をして虎渡と別れた。
あいつが迷わず生きればもう二度と会わない筈だ。
数年前は俺よりチビな癖に猛獣のような悪ガキだったのに、
暫く見ない内に俺より背が伸びて、体格も力も完全に負けて、当人に自覚はないが手加減されるまでになっていた。
人は成長していくものだったな、と
子供を見送る親のような気持ちになった。
とはいえ、内面はあまり成長していないようだったが。
島からだんだん人がいなくなっていく。
上手く会えた人には挨拶をして、
会えなかった方には健やかに暮らしていく事を願っているうちに人がまばらになった、
キルサンやリルサンも姿が見えない。
もう帰ってしまったのだろうか。
「あら。するとン帰んないのぉ?
早くしないと船なくなっちゃうわよん?」
艶っぽい声に背中を撫でられて、俺は振り返る。
島に着てから世話になり続けている遺跡内の住人。
姉御肌な泥棒猫のファイサンが、悩ましげなボディを柔らかく揺らして俺の方に駆けてくる。
ファイさんが俺を覗き込むように首を傾げると、ポニーテールに結い上げた豊かな緑の髪が揺れる。
「皆どうしたんだろうって気にしてるわよ。
なぁに? ワケありで帰りたくないのかしらん?」
皆一緒に遺跡に帰ることにしていたのか、自由時間のつもりなのか、
ファイさんの数メートル先に、俺らPTの同行者だった遺跡内住民が集合していた。
歩行小岩から色々あって泥棒猫に成長したお色気ファイサン、
同じような経緯で大甲虫からヒーローになった戦う乙女、イエサン。
紫水晶色の目をした甘えん坊なブラックドッグ、ティ。
ある男性からキルサンが譲り受けたイヴさん。
事情は知ってるが一応滅も加えて俺の身の上について話す。
かいつまんだつもりで結構長くなってしまったが、皆全部聞いてくれた。
「っつー訳で俺はどうもこの島から出られないみたいなンですよ」
一通り話してしまうと、何となく心残りが消えた気がした。
たとい島が一旦閉じられた後で俺が島の生き物になったとしても、それはそれで受け入れられそうだ。
そう思った瞬間、耳鳴りがして視界が揺れる。
体勢を整える間もなく、俺の意識は途切れた。
=====
僕の一生の主役はいつだって僕なんだけど、ここでは主役を譲ってあげてもいい。
残念な事に僕があの場所で活動して目的を達成するには少々制限が多すぎる上に、
器に使えるモノは想定してたよりも存外脆かったから、僕が降りて行って目的達成するのは難しい。
だけど僕は何とかして僕の望む通りに事を運びたいし、諦める積もりだってこれっぽっちもない。
それに、坊やを頼むという健気なレディ達の願いをうけている。
彼女たちが己の記憶や身を呈してまで坊やを救いたいと望んだ以上、女性に優しい僕としてはその希望を無条件に聞くしかないんだよね。
更に、坊やはあの白魚女・明から指輪を獲得している。
彼女がどんな気まぐれを起こしたやら分からないけれど、残念な事にこの子は僕らの世界に滞在する資格を得ている事になる。
全く気は進まないが、明が拾ってきたのを勝手に殺すわけにも行かない、暫く僕らの住処で飼ってあげるとしよう。
その代わり、飼育中の記憶は残さないし、生還した後は僕らの為に働いて貰う事になるけどね。
僕らの住処にいる間の事を勝手に思い出した所で、僕に感謝する以外にないけれど、男に好感を持たれたりすり寄られても気持ちが悪いだけで不快極まりない。
なあに、生存する機会を与えられる事に比べれば不当な対価でもないと、僕はそう考えるんだよ、そう思うだろう?
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島探索中止のお知らせが出たんで、オレたちの冒険はここでおしまいになった。
ニーさんが別れ際に微妙な顔してた。
オレがいなくて不安なんだろうけど、一人で迷子になって帰ってこれないなんて事はないだろう。
帰りの船でぼけーっとしてると、懐かしの黒電話音が懐から鳴り出した。
ケータイ着信だ。
「たっくん?」
これといっておかしな所もない、標準的な女の声。
だが俺はその声を聞くだけで凍る。
だってその声の持ち主は。
「あくm・・・ ねーちゃん!」
「ちょっと何それ、 心配してるのに酷くない?」
本音トークで死亡フラグを立てかけてしまった。
全力で回避するべく、脳をフルに使って言い訳を考える。
「今のなし!ちょっと聞き間違えただけ!」
呆れたようなため息が返って来る。
これだけじゃまだ気は抜けない
「連絡もしないで! 今どこほっつきあるいてんのよ?」
不満げな声色は変わらない。
きっと膨れ面になっているのだろう。
呪術研究実験台の刑、という言葉が脳裏をよぎる。
オレはできるだけ平静を装って声を絞り出す。
「に、ニーさんと一緒に島に居た。
前バレンタインに行った島。 」
「誰?」
「んい?」
「だからニーさんて誰よ?」
声の調子が怒ってるのとはちょっと違うものになった。
何かおかしなことを言っただろうか。
オレがニーさんという人なんてねーちゃんのがよく知ってる。
「え。 ミマサカニーさんに決まってるじゃんか!」
「ミマサカ君? 」
「そう、ミマサカニーさんならねーちゃんのが付き合い長いじゃん!」
「ちょっとまって、美作君はもう亡くなってるでしょ? 」
「バカ言っちゃって! ニーさんは・・・ あれ? 」
そうだった。
たしかニーさんは俺が6つの時に事故って、そんで。
しかもニーさんなんて呼び方してなかった。
「もう!よその人と間違えたのね!
親切とも限らないのに。
パパもママも心配してるから早く帰ってきなさい」
島にいた「ニーさん」って誰だ。
そう思うと、島での事が急にぼんやりしたワケのわからないモノになった。
「もしもし? たっくん、とにかくちゃんと帰って来なさいよ?」
そういってねーちゃんから電話を切った。
数時間後、家に帰り着いた俺は家族みんなから思い切り叱られた。
説教が一段落して、俺は島で出会った式村の彩さんに聞いたガッコの事を話した。
それから、進路とかについてまじめに長い話をした。
学園の時の醍センセもいるってことで、オレがある程度頑張る事で編入して良いことになった。
良いガッコを教えてくれた彩さんと未来で友達になれるかはオレ次第だ。
今まで不真面目ってワケじゃなかったけど、真剣に頑張ってみようと思った。
=====
島での宝玉探しが中断される事になった。
「あーあ、オレもドラ●ンボール集めて願い叶えたかったっス。」
頭の後ろで腕を組みながら、太子は心底残念そうにぼやいた。
「バカ言ってンじゃねえよ、お前は地道に編入手続きと試験」
「ちぇー! でも彩さんから聞いた感じオレにぴったりの学校っぽいから頑張るッス。」
「不良にはなンなよ?」
「不良はオレのロマンじゃねーッスモン。」
ロマンの問題じゃない気がするが、当人が言うなら問題はなさそうだ。
「じゃ、ここでお別れだ」
「へ?」
二人で帰る気だったのか、太子はきょとんとする。
俺は用意してた言い訳を使う。
「俺はまだ挨拶が終わってねェからな」
「ってニーさん、俺らの町行きなんて・・・
あー、あの娘さんッスね。」
お年頃なんスから!とか言いながら太子が俺の背中を叩く。
「ちげー ワケじゃねえけど痛てぇよバカ!
分かったら俺の邪魔にならンように早よ帰れ。」
挨拶をして虎渡と別れた。
あいつが迷わず生きればもう二度と会わない筈だ。
数年前は俺よりチビな癖に猛獣のような悪ガキだったのに、
暫く見ない内に俺より背が伸びて、体格も力も完全に負けて、当人に自覚はないが手加減されるまでになっていた。
人は成長していくものだったな、と
子供を見送る親のような気持ちになった。
とはいえ、内面はあまり成長していないようだったが。
島からだんだん人がいなくなっていく。
上手く会えた人には挨拶をして、
会えなかった方には健やかに暮らしていく事を願っているうちに人がまばらになった、
キルサンやリルサンも姿が見えない。
もう帰ってしまったのだろうか。
「あら。するとン帰んないのぉ?
早くしないと船なくなっちゃうわよん?」
艶っぽい声に背中を撫でられて、俺は振り返る。
島に着てから世話になり続けている遺跡内の住人。
姉御肌な泥棒猫のファイサンが、悩ましげなボディを柔らかく揺らして俺の方に駆けてくる。
ファイさんが俺を覗き込むように首を傾げると、ポニーテールに結い上げた豊かな緑の髪が揺れる。
「皆どうしたんだろうって気にしてるわよ。
なぁに? ワケありで帰りたくないのかしらん?」
皆一緒に遺跡に帰ることにしていたのか、自由時間のつもりなのか、
ファイさんの数メートル先に、俺らPTの同行者だった遺跡内住民が集合していた。
歩行小岩から色々あって泥棒猫に成長したお色気ファイサン、
同じような経緯で大甲虫からヒーローになった戦う乙女、イエサン。
紫水晶色の目をした甘えん坊なブラックドッグ、ティ。
ある男性からキルサンが譲り受けたイヴさん。
事情は知ってるが一応滅も加えて俺の身の上について話す。
かいつまんだつもりで結構長くなってしまったが、皆全部聞いてくれた。
「っつー訳で俺はどうもこの島から出られないみたいなンですよ」
一通り話してしまうと、何となく心残りが消えた気がした。
たとい島が一旦閉じられた後で俺が島の生き物になったとしても、それはそれで受け入れられそうだ。
そう思った瞬間、耳鳴りがして視界が揺れる。
体勢を整える間もなく、俺の意識は途切れた。
=====
僕の一生の主役はいつだって僕なんだけど、ここでは主役を譲ってあげてもいい。
残念な事に僕があの場所で活動して目的を達成するには少々制限が多すぎる上に、
器に使えるモノは想定してたよりも存外脆かったから、僕が降りて行って目的達成するのは難しい。
だけど僕は何とかして僕の望む通りに事を運びたいし、諦める積もりだってこれっぽっちもない。
それに、坊やを頼むという健気なレディ達の願いをうけている。
彼女たちが己の記憶や身を呈してまで坊やを救いたいと望んだ以上、女性に優しい僕としてはその希望を無条件に聞くしかないんだよね。
更に、坊やはあの白魚女・明から指輪を獲得している。
彼女がどんな気まぐれを起こしたやら分からないけれど、残念な事にこの子は僕らの世界に滞在する資格を得ている事になる。
全く気は進まないが、明が拾ってきたのを勝手に殺すわけにも行かない、暫く僕らの住処で飼ってあげるとしよう。
その代わり、飼育中の記憶は残さないし、生還した後は僕らの為に働いて貰う事になるけどね。
僕らの住処にいる間の事を勝手に思い出した所で、僕に感謝する以外にないけれど、男に好感を持たれたりすり寄られても気持ちが悪いだけで不快極まりない。
なあに、生存する機会を与えられる事に比べれば不当な対価でもないと、僕はそう考えるんだよ、そう思うだろう?
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